2025年9月21日、香港メディア・香港01は、中国企業が国産の深紫外線(DUV)露光装置開発を進めていることを報じた。

記事は、英国メディアの報道によると、中国の半導体最大手であるSMIC(中芯国際)が、上海のスタートアップ企業SMEE(上海微電子装備)の子会社である宇量昇(S-Photon)が開発したDUV露光装置のテストを行っており、中国の半導体産業が自立に向けた重要な一歩を踏み出していると伝えた。

また、宇量昇について中国情報機器大手・華為技術(ファーウェイ)の半導体エコシステムの一翼を担っているとし、開発を進めているDUV露光装置がオランダの半導体製造装置大手ASMLと同様の液浸システムを採用していると説明。28nmプロセス対応のDUV露光装置であるものの、「マルチプルパターニング」技術を用いることで、7nmクラスのチップ製造を目指しているとした。

そして、中国では装置の主要部品の国産化をすでに実現している一方で、一部の部品で引き続き輸入品に依存しているとし、今回の開発に成功すれば部品から完成品までの完全な自国生産の実現を意味することを紹介した。

記事は、SMICによる初期テストの結果が上々だったものの、装置の量産に必要となる安定性と歩留まりを達成するには最低でも1年間の調整が必要との見方を示した。また、この装置では理論上5nmまでのチップを製造可能であるものの、その場合の歩留まりは低くなるため、最先端の半導体を製造するためには不十分な性能であることも示唆している。(編集・翻訳/川尻)

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