2025年9月22日、韓国メディア・韓国経済によると、犬肉に変わる滋養にいい食材として黒ヤギが脚光を浴びたが、外国産の輸入に押され価格が下がり、農家は飼育頭数を減らさざるを得ない状況になっているという。
農林畜産食品部によると、年初から6月までに全国の家畜市場で取引された黒ヤギの生体価格は1キロ当たり平均1万4287ウォン(約1400円)と集計された。
昨年1月、「犬の食用目的の飼育、と畜および流通などの終息に関する特別法」が国会で可決された。この法律によって、犬肉の流通はもちろん、犬肉料理店を新たに開くことも禁じられた。そこで、古くから夏の滋養食として食べられてきた黒ヤギに注目が集まった。補身湯(ポシンタン、犬肉のスープ)の店は黒ヤギ料理店に看板を変え、セリでは黒ヤギの落札価格が韓牛(ハヌ、韓国在来種の牛)を大きく上回ったという。
しかし、輸入ヤギ肉が入ってきて状況が変わった。今年1~8月の黒ヤギを含むヤギ肉輸入量は6790トンで、前年同期より27.5%増加した。8月の輸入量は1370トンで、昨年8月(855トン)を大きく上回っている。21年までヤギ肉の輸入量は関税庁の統計にも出てこないほど微々たるものだったが、犬肉禁止の議論が本格化した22年に3322トンを記録し、23年5995トン、24年8143トンと急増してきた。
犬肉が消え、その空席を埋めたのは黒ヤギだったが、なぜ国産ではなく外国産の黒ヤギが求められたのか。「国内で飼育される在来種は外国産に比べ価格競争力が劣るため」だと記事は分析した。在来種の黒ヤギは成長が遅く1年以上飼育しなければならず、体重も50キロ前後にしかならない。一方、外交の黒ヤギ(ボア種)は12カ月で60キロ以上に成長し、100キロを超える大型のものも多いという。
こうした中、黒ヤギ農家らは「突然の犬食文化根絶政策のせいで損失を被った」との立場で、黒ヤギ輸入へのクオータ導入や、輸入肉を国産肉と偽装して販売できないよう徹底した取り締まりを行うなどの対策を政府に求めている。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「ヤギは繁殖力が強く、海外では貧困層の間で鶏や豚より多く飼育されているという。なぜ韓国ではヤギ肉が高価なのか?」「黒ヤギ料理、高いよ。小さい器一つで2万ウォン(約2000円)近くした。もう食べない」「スープ1人前が以前は9000ウォン(約900円)だったのに、1万8000ウォン(約1800円)になっていた。ということは店が暴利を?」「輸入肉を使っていながら高い値段をつけてるんでしょ」「(国産肉が)高すぎるなら、輸入するのは当然だろうね」などの声が寄せられた。
また、「ヤギもかわいいから食用禁止にしてください」「犬の代わりにヤギなら死んでもいいの?」といったコメントも見られた。