初めてグローバル・イノベーション・インデックス(GII)でトップ10入り、深セン―香港―広州クラスターが世界のイノベーションクラスターランキングで首位に躍進。世界知的所有権機関(WIPO)がこのほど発表した2025年版「グローバル・イノベーション・インデックス」は、中国に際立った「スコア」を付与した。

新華社が伝えた。

WIPOのマルコ・アレマン事務局長補は、「世界トップ10入りはグローバル・イノベーションのリーダーとしての中国の突出した地位を示すものだ」と高く評価した。

このほど行われた中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利80周年記念行事では、「国の重器」が「科学技術の力」を示した。近年、「嫦娥6号」が人類初の月の裏側からのサンプルリターンを実現し、「人工太陽」EASTが1億度で1000秒の「高品質燃焼」を達成するなど、重大な科学技術の成果が相次ぎ、中国の科学技術が新たな高みに達していることを示している。

中国発のイノベーションが相次ぐ理由―中国メディア
超伝導トカマク型核融合エネルギー実験炉

世界が競う人工知能(AI)の最前線でも、中国は先頭を走っている。先ごろ、DeepSeek-R1の訓練手法を報告する論文が「ネイチャー」の表紙を飾り、世界の関係者による厳格な査読を経て、開放性と規範性の新たな模範をAI産業に示した。

これと同時に、科学技術イノベーションと産業イノベーションの融合が加速し、科学技術の成果が次々と人々の暮らしに浸透している。例えば、5G通信の大規模応用、北斗衛星測位システムによるグローバルな精密サービス、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)による脊髄損傷患者の立位・歩行支援、国産脳ペースメーカーによるパーキンソン病患者3万人の運動機能改善といった例が挙げられる。

中国はPCT国際特許出願件数が世界首位で、世界で初めて国内有効特許件数が400万件を突破した。6月時点で、戦略的新興産業の有効特許保有件数は147万2000件に達し、AI、新エネルギー、生命・健康など重点分野において高価値の核心特許を保有している。

世界の視線が繰り返し中国に注がれる中、中国発のイノベーションが相次ぐ理由を知りたくなるのは自然なことだ。

挙国体制の難関攻略

世界の大きな変化を前に、中国は計画的に布石を打ち、革新駆動型発展戦略の実施を深く推進し、イノベーション型国家建設の加速という戦略任務を打ち出し、2035年までに科学技術強国を建設するという奮闘目標を定めた。

中国社会全体の研究・実験開発費は24年に3兆6000億元(約72兆円)を超え、総投資額で世界2位となり、基礎研究費は2497億元(約5兆円)に達した。

新しいタイプの挙国体制の優位性を発揮し、イノベーション力と資源優位性を統合し、全国的影響力を持つ地域イノベーション拠点の数々を創出し、高水準のイノベーションによって質の高い発展を促進する。WIPOによると、中国からは24のイノベーション・クラスターが世界トップ100に入り、3年連続で世界首位を維持している。

科学技術体制改革の成果

近年、中国は科学技術体制改革を持続的に推進し、革新的な発展を制約する深いレベルの問題の解決に力を入れている。

「揭榜挂帥(イノベーションプロジェクトリーダーの年齢・職位にとらわれない自薦による公募)」「競馬制(競争原理の導入)」といったイノベーションモデルを導入し、研究費「請負制」の整備を図り、研究者の創造力をさらに喚起している。「肩書きや看板の乱発」の是正を続け、研究者が雑事に煩わされずに研究に専念できるようにしている。より積極的かつ開かれた人材政策を実施し、世界の優秀な人材を呼び込み、活用している。これにより、イノベーションの活力が湧き上がり続けている。

市場イノベーションの力強い推進力

企業はイノベーションの主体だ。中国は市場規模が大きく、応用シーンも豊富であり、イノベーションにとって「肥沃な土壌」を提供している。

国の重要科学研究課題への企業の参加を支持しており、重点研究開発計画プロジェクトにおける企業の主導・参加比率は約80%に達している。税制優遇政策を持続的に最適化し、企業の研究開発費の追加控除率を75%から100%に引き上げた。各地域は自ら新産業を育成し、地方政府の調達機会を企業に開放している。

中国のハイテク企業は50万社を超え、24年には中国大陸部の企業524社が世界の産業研究開発投資上位2000社に入った。

今年は「第14次五カ年計画(2021~25年)」の最終年であり、科学技術強国建設の目標達成まであと10年しかない。

国家知識産権局の申長雨(シェン・チャンユー)局長は、「世界で大きな変化が加速しており、新たな科学技術革命と産業変革が深く進展している」と指摘。さらに、「イノベーションの喚起、開放の促進、効率的な市場システムの構築への寄与という知的財産権制度の重要な役割を十分に発揮し、革新的な発展をより良く後押ししていく」と語った。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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