2025年10月15日、中国中央テレビ(CCTV)は「ミャンマーで中国人が1人30万元(約600万円)で売られる」とのハッシュタグを付け、ミャンマー北部コーカン地域における特殊詐欺グループ「魏家犯罪集団」の実態について報じた。
CCTVは「魏家犯罪集団」が通信手段を用いた特殊詐欺を経済的基盤とし、武装勢力による統制、政治的保護を拠り所にして勢力を強めており、国家公認の辺境防衛部隊を私物化していたことが明らかになったと伝えた。
報道によると、魏家は博打(ばくち)や性産業で巨額の富を築き、インターネットを通じて「ミャンマー北部には黄金があふれ、太平の世である」という虚偽の情報を流布することで多数の中国国民を誘い込んでいた。2017年ごろにミャンマー北部に流入すると「詐欺産業パーク」を建設して詐欺組織の誘致に乗り出し、高額な賃料や人頭税、治安維持費などを徴収する一方で、中国籍の従業員を「資源」として売買していた。売買価格は当初の2万元(約40万円)から30万元にまで高騰し、帰国を望む者には数十万元の身代金を要求していたという。
さらに、魏家は国境防衛部隊と私設武装勢力を癒着させ「詐欺産業パーク」を武力で管理するモデルを確立し、他の犯罪集団も同様のスタイルを模倣したことで、地域に悪質な犯罪エコシステムが形成された。福建省泉州市公安局の捜査により、魏家の行為は単なる詐欺にとどまらず、殺人、不法監禁、売春組織化など多岐にわたる違法行為であることが判明したとのことだ。
このほか「詐欺産業パーク」で成果を上げられない者や逃亡を試みる者に対し、体罰や監禁、暴行を加えていたこと、魏家の幹部が他の犯罪組織の幹部との義兄弟の契りを交わす際、「いけにえ」として見知らぬ中国国民を無作為に選び、銃殺するという残虐な行為を行っていたことも明らかになったとCCTVは伝えている。(編集・翻訳/川尻)