2025年10月15日、香港メディア・香港01は、走行中の電気自動車(EV)が衝突・炎上事故を起こしたシャオミ(小米)が、事故原因を議論するネットユーザーを告訴したことが新たな物議を醸したとする記事を掲載した。
報道によると、四川省成都市で13日未明にシャオミEV「SU7 Ultra」が高速走行中に中央分離帯に衝突し炎上、車内にいた人が死亡する事故が発生した。事故をめぐっては、発生時に電子ロックが解除されなかったのではないかという「開かないドア」の問題が物議を醸し、EVの安全性が焦点となった。
記事は、この事故を受けて多くのインフルエンサーやセルフメディアが議論を展開した一方で、議論が始まって間もなく、一部のセルフメディアアカウントがシャオミから訴えられたことが明らかになったと紹介。シャオミから告訴通知を受け取ったとする画像や、「シャオミ関連の話題を扱った後に、告訴に関するメッセージを受け取った」という報告が相次いだと伝えた。

また、多くのネットユーザーからは「今回の件に限らず、以前から小米からの告訴が頻繁にあった」との証言も見られ、中には、シャオミ幹部の名前をやゆしただけで訴えられたケースや、小説に創業者の雷軍(レイ・ジュン)氏の名前が登場しただけで告訴されたという事例や、シャオミを擁護する記事を書いたにもかかわらず告訴されたという話さえあったと紹介している。
記事は「シャオミの広報・法務チームの対応は非常に強硬だ」とした上で、その姿勢に対する批判も高まっていると指摘。大企業が法に基づいて権利を守るのは当然という意見もあるが、一方で、一般のネットユーザーの軽い皮肉にも告訴で対応するのは、かえって反感を買うだけだという見方もあるとした。
そして「この問題は、大企業がいかに権利を守り、その境界線をどこに引くべきかという根源的な問いに行き着く」とし、ブランドの評判を守ることは重要であるものの、言論の抑圧は正常な議論の余地をも奪いかねないとの懸念を示した。また、技術企業であるはずのシャオミにおいて、ここ1~2年は「広報部と法務部の勢いが研究開発部をしのぐほどになっている」という指摘もあると伝え、裁判には勝てたとしても人々の心に「わだかまり」を残し、信頼を失う可能性があると論じた。
記事は最後に、企業の核となる印象が「技術力の高さ」から「強引な権利擁護」に変わってしまった場合、果たしてそれが賢明な戦略なのか、シャオミ自身がよく考える必要があるだろうと結んでいる。(編集・翻訳/川尻)
— 中国動画 (@RC00547555) October 16, 2025