年に一度の烏鎮演劇祭が10月16日、中国浙江省烏鎮で開幕しました。今年は16日から26日までの11日間にわたり、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、日本など10カ国からの25作品が、烏鎮の10カ所の劇場で計71回上演されます。
日本からは、演出家・鈴木忠志さんが手がけるフランスの古典『シラノ・ド・ベルジュラック』が登場します。公演は17日、18日、19日の3日間にわたり行われ、日本語・中国語・ロシア語の3カ国語で上演されます。16日のリハーサル終了後、中央広播電視総台(CMG)日本語部の記者が鈴木さんに独占インタビューを行いました。

劇中で、クリスチャン・ド・ヌーヴィレット役を演じる中国人俳優・田沖さんの演技について、鈴木さんは、「田さんは、十年ほど前に私のもとで学んだ最も優秀な生徒の一人です。日本にも招き、私の本拠地であるベースキャンプで『鈴木メソッド』の訓練を積んでもらいました。彼は『シラノ』だけでなく、ギリシャ悲劇や『リア王』など、さまざまな重要な役を演じてきました。若いながらも驚くほどの集中力と身体表現力で、世界中の俳優たちも感心しています。彼は間違いなくトップレベルの俳優の一人です」と高く評価しました。
また、鈴木さんが烏鎮を訪れる理由については、「私は演劇祭という枠そのものが好きなわけではなく、その背景にある人間関係や理念に共感して参加している」と話し、「烏鎮の観光開発に尽力した陳向宏さんに敬意を抱いています。陳さんが作り上げた烏鎮は、演劇を超えた『芸術の町』として完成されています。ヨーロッパでもアメリカでも、演劇祭そのものよりも、そこにどんな人がいるかということに興味があります。
烏鎮の第一印象については、「空間がとても豊かで楽しく、単なる公演の舞台ではなく、人と芸術が共に息づく町となっています。古いものがうまく活用され、現代的に生かされていることに感心しました」と述べました。(提供/CRI)