蜜雪(MIXUE)グループの全世界店舗数は5万3000店を超え、覇王茶姫(CHAGEE)の第2四半期(4-6月)海外商品取引総額は2億3520万元(約49億3900万円)に達し、前年同期比で77.4%増加した。中国の新興ティードリンクチェーンの国際化はますます顕著となっており、業界の現在の発展における重要な潮流となっている。

海外展開:拡大を図り、新たな局面を開く

新興ティードリンクチェーンは、最初に東南アジアに集中的に進出した後、遠く欧州、北米、オセアニア等にも進出し、世界への歩みを加速して、海外進出の「新勢力」となりつつある。

4月に蜜雪冰城の中央アジア初店舗がカザフスタンにオープンし、初月の売上高は43万元(約903万円)を超えた。これにより、蜜雪冰城の事業はベトナム、カンボジア、日本、韓国、オーストラリアなど12カ国に拡大し、海外店舗は4700店以上となった。

中国の新興ティードリンクチェーン海外進出の背景―中国メディア

5月初旬に霸王茶姫の米国初店舗がオープンし、初日の販売数は5000杯を超えた。8月にはフィリピン市場に進出し、オープンから3日間で2万3000杯以上を販売した。6月末までに、霸王茶姫の海外店舗は208店にまで拡大した。

これ以外にも、さらに多くの新興ブランドが海外展開を加速している。2023年に海外進出を開始した甜啦啦(TIANLALA)の海外店舗数は約200店。24年に初めて海外市場に進出した茉莉奶白(MOLLYTEA)は北米、欧州、東南アジアなどに20店舗以上をオープンしている。

新興ティードリンクチェーンの海外進出が活発な理由

中国の調査会社「艾媒諮詢(iiMediaresearch)」によると、24年の中国の新興ティードリンク市場規模は3547億2000万元(約7兆4491億円)に達し、前年同期比で6.4%増加した。今後数年間も安定した成長が見込まれる。

中国チェーン経営協会の王洪涛(ワン・ホンタオ)副会長兼事務局長は、「国内市場の需要と比べ、海外市場には新たな成長の余地があり、海外進出の核心的動機となっている」と分析する。

霸王茶姫の第2四半期決算報告書によると、海外市場はすでに会社全体の業績成長を牽引する重要なエンジンの一つとなっている。

同期の海外市場商品取引総額は2億3520万元に達し、前年同期比で77.4%増、前四半期比で31.8%増となった。

霸王茶姫の責任者は、「グローバルな展開は、単一市場への依存を減らすだけでなく、新たな成長機会を創出し、市場の不確実性にも効果的に対応できる」と語る。

中国農業科学院茶葉研究所の陳富橋(チェン・フーチアオ)副研究員は、新興ティードリンクチェーンの海外展開には三つの核心的優位性があると指摘。(1)国内の巨大な市場規模の持つ優位性と比較的成熟した運営モデルが海外展開の基盤となる(2)世界最大の茶葉と新興ティードリンク消費市場である中国の企業は高い製品開発力と運営能力を備える(3)茶文化自体の持つ開放的・包摂的特質により、国際的な文化の壁をある程度打破できる――ことを挙げる。

中国の食品産業アナリストの朱丹蓬(ジュウ・ダンフォン)氏は、主要企業の総合的実力が持続的に向上していることで、新興ティードリンクチェーンにとっても海外展開の条件が熟したと指摘する。

灼識諮詢(CIC)によると、客の注文を受けて店舗で作るタイプの飲料は28年までに世界の飲料市場のシェアの半分近くを占めることになると予測される。

中国チェーン経営協会の王副会長は、「長期的には、東南アジアや北米など国際市場には成長の余地がまだある。現地のリソースを統合できるパートナーを選ぶことが極めて重要であり、これが長期的かつ安定的な経営を実現する鍵だ」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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