AIレーシングカーのタイムを競うHitchOpenワールドAIチャンピオンシップの決勝戦が18日、湖南省張家界市の天門山で幕を閉じた。最適化されたAIアルゴリズムにより、清華大学エクストリーム・レーシングチームが16分10秒838のラップタイムで優勝を果たし、湖南大学チームと吉林大学チームがそれぞれ2位と3位に入った。

中国新聞網が伝えた。

今大会は4月にスタートして以来、「技術選抜―実戦検証」という段階的なプロセスで進行してきた。上海でのキックオフサミットを皮切りに、仮想シミュレーションによる予選と準決勝を経て、国内のトップ大学7チームが実車・実コースでの挑戦資格を獲得。7チームは10月8日までに、標高1300メートルを超える天門山の「雲上ガレージ」に順次集結し、AIアルゴリズムの調整とレーシングカーの整備作業を行った。

天門山は「AIレーシングのエベレスト」と称される。全長10.77キロメートルのコースは標高200メートルから1300メートルまで一気に駆け上がり、99のカーブの多くが180度のヘアピンカーブで、「急な高低差+急勾配」の地形的な試練を形成している。とりわけトンネルや死角ではナビゲーション信号が途絶え、AIはセンサーとアルゴリズムだけを頼りに「目隠し運転」を強いられ、極めて困難な挑戦となる。

10月8日から17日までが主要競技期間となり、7チームはいずれも統一仕様のPIXMoving製軽量スマートシャーシを使用。大会運営側が公平に割り当てた1日1時間の走行枠で、審判立ち会いのもとコースに挑み、10日間のうち最も優れた記録で順位を競った。激しい争いの末、清華大学エクストリーム・レーシングチーム、湖南大学HIVEチーム、吉林大学智翼AIチームの3チームがトップ3に入り、18日の最終決戦に進出した。

18日、雨が降り続いた張家界は、競技時間になっても路面の冠水が深刻だった。科学的な判断を経て、清華大学は最終走行を棄権し、予選期間中に記録したベストタイム16分10秒838で勝負に臨んだ。

今回の大会の大きな見どころの一つは、データの完全公開だ。大会組織委員会は同日、「霧、トンネル、急坂・急カーブ」といった極限状況を網羅する「ゴールデンデータセット」を発表した。このデータセットは全世界の企業や研究機関に無料で開放され、AIの全過程における意思決定データや3次元コースモデルが含まれ、フィジカル・インテリジェンスが「データボトルネック」を突破するための重要な支えを提供することになる。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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