2025年10月19日、看看新聞は四川省で「野人」化した3歳児が見つかり議論を呼んだことを報じた。

記事は、中国のネット上でこのほど、四川省雅安市石棉県の高速道路上を全裸のまま四つん這いで動き回る子どもの動画が拡散し、強い関心を呼んだと紹介。映像の中で子どもは動物のように食事し、言葉も発しなかったことから、ネット上では「野人のような子ども」との呼び方まで広がるとともに、その衝撃的な姿に「誰がこの子を救うのか」との声も出ていると伝えた。

また、この子どもの保護者は戸籍登録を行わず、就学前教育も受けさせず、さらに地面で食事させるなど常識を逸脱した養育を続けてきたとみられるとしたほか、両親は高学歴であるにもかかわらず「特別な教育方法であり、外部は干渉する権利がない」と主張し、当局や外部との連絡を拒んでいると指摘した。

記事によると、地元警察が「虐待は存在しない」と説明していたものの、父親の戸籍地である雲南省南澗イ族自治県当局は18日に「虐待行為の有無について法に基づき調査を行う」として特別調査チームを立ち上げたことを明らかにした。

記事は、両親の主張について「果たして通用するだろうか」とした上で、虐待は暴力行為に限られず、「自然な育児」と称して監護責任を放棄し、「家庭の問題」として常識を否定することは、根本的には子どもの人権軽視にほかならないと指摘。動画では子どもがすでに動物的な行動様式を示し、人としての象徴的な発達の機会を奪われた恐れもあり、一言で「教育方針の違い」と片づけることはできないと論じた。

なお、南澗イ族自治県の警察当局が19日に発表した内容によると、子どもとその両親は当局の監督下に置かれた。記事は「調査の加速が望まれる。子どもの安全と成長は一刻も早く確保されるべきであり、この問題は単なる家庭内の出来事にとどまらず、社会が共有すべき文明のボトムラインを守る試金石だ」と評した。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ