台湾や香港の情報サイトはこのところ、日本旅行の際には熊の出没に十分に用心するよう注意を喚起する記事を次々に発表している。中国の札幌総領事館も、公式サイトを通じて注意を呼び掛けた。
台湾の健康情報サイトの優活健康網は、日本47都道府県すべてを訪れたことがあり日本の旅行関連業界とも密接なつながりがあるという凱子凱さんのSNSへの投稿を転載して、「日本でクマ出没、紅葉狩りやスキーの際には注意を」と呼び掛ける記事を掲載した。
同記事は、日本では2025年1-9月に109人が熊の被害に遭遇し、7人が死亡するなど、過去最悪の状態と指摘した。また「熊の出没はもはや深山に限らず、住宅地にもしばしば出現、平地でも警戒を強める必要がある。熊がスーパーに誤って侵入したというニュースもある」と紹介した。同記事は、奥日光の竜頭の滝など、紅葉の名所でも熊の足跡が見つかったり、熊が目撃されていることも紹介した。
同記事は、熊の被害を防ぐためには、熊鈴などで音を出したりするなど、遭遇を避ける工夫が第一と論じた上で、熊に遭遇した際の対処法にも触れた。また、「防熊スプレー」(ベアスプレー)などの商品があると紹介し、さらに飛行機には持ち込めず高価でもあるために、レンタルを利用するのがよいと説明した。
香港メディアの香港01なども、日本各地の熊による被害の状況を説明し、県が25年の熊出没マップを作る動きもあると紹介した。
中国の札幌総領事館は10月29日に、日本にいる自国民向けに、「野生の熊が人を襲う事態が多発している」として注意を呼び掛ける文章を公式サイトを通じて発表した。
同文章は、熊の出没を示す表示がある場所では登山やハイキングを避け、そうでなくても森林や山間部などで人があまりいない地域からはできるだけ遠ざかるよう求めた。時間帯としては、熊は夕方から夜、早朝にかけて比較的活発に活動すると紹介し、人里離れた場所へ行くことは控え、どうしても行く必要がある場合には、多人数で行動するか自動車を利用し、徒歩で移動する場合には「防熊スプレー」を携行するよう求めた。
同文章は、足跡や食べ残し、糞便などの熊が存在した痕跡があった場合には、直ちに引き返すことを求め、熊に遭遇した場合には、ゆっくりと後退すべきであり、大声を出したり突然走って逃げたりすると、熊が興奮してかえって危険とも注意した。
同文章は、緊急事態の際に利用できる、札幌総領事館の24時間対応の電話番号や、日本の110番や119番の電話番号も紹介した。なお、中国の札幌総領事館は北海道内だけでなく、秋田、岩手、青森の各県も所管している。(翻訳・編集/如月隼人)











