仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は6日、仏メディアのクーリエ・アンテルナショナルの報道を引用して、「中国の若者の4人に1人は自傷行為に及んでいる」と報じた。

記事によると、中国のウェブサイト「果壳」が10月31日に掲載した記事で「中国の若者の4人に1人は自傷行為に及んでいる」と指摘し、「ますます多くの教師や保護者が、青少年の非自殺性自傷行為という厄介な問題について議論するようになっている」と伝えた。

その1週間前の10月24日、中国教育部は小中学校におけるメンタルヘルス問題、特に多すぎる宿題等、学業上の過度な負担への対策措置を発表しており、中国の公的データを分析するウェブサイトも「今回の全国的な対応は前例がなく、一定程度、事態の深刻さを裏付けるもの」との見方を示したという。

記事によると、中国青少年研究センターと中国共産主義青年団中央委員会(共青団中央)が2023年に共同で作成した報告書ですでに17歳未満の若者のメンタルヘルスが憂慮すべき水準であることが指摘されていた。国営の中央テレビ(CCTV)では「3000万人の子どもが程度の差こそあれ、情緒や行動の面で障害を抱えている」とも報じられた。

さらに、同年に出版された「中国心理健康青書」では、高校生のうつ病有病率は40%に上り、中学生では30%、小学生でも10%に達していることが報告されている。原因としては、家族からの成績等への過度なプレッシャーや愛情不足が挙げられている。また、中国科学院心理研究所が発表した24年版の「中国農村未発達地域学生心理健康報告」でも、「農村の子どもの3割がうつ病リスクに直面しており、この割合は全国平均の14.8%を大きく上回っている」と指摘されている。

記事はこのほか、若者のメンタルヘルスへの影響としてスマートフォン依存にも言及。24年の中国青少年ネットワーク行動調査報告で、12~18歳の子どもがスマホを使用する時間は1日平均4.2時間であること、若者の7割が「スマホを手放すと極度の不安を感じる」と回答したことを紹介。また、中国睡眠研究会の調査で小学生、中学生、高校生の平均睡眠時間がそれぞれ7.65時間、7.48時間、6.5時間と教育部が推奨する10時間、9時間、8時間と比べて大幅に不足していること、若者の6割超が「スマホやゲームのために睡眠時間を削っている」と回答したことを伝えている。(翻訳・編集/北田)

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