2025年11月6日、第一財経は、日本や韓国の企業が人工知能(AI)を活用して中国の自動車産業チェーンへの参入を加速させていると報じた。

記事は、中国の自動車市場が世界最大の電気自動車(EV)市場となり、コネクテッドカーや自動運転技術などの分野が急速に発展する中で、日本や韓国のハイテク企業が市場への本格参入と事業拡大に次々乗り出していると伝え、上海市で行われている第8回中国国際輸入博覧会で展示されたソニーや旭化成、サムスン電子の事例を紹介している。

ソニーについては、前方の障害物に隠れて直接見えない歩行者や車両のイメージを仮想映像としてリアルタイムで表示し、潜在的な危険を伝えるという世界初の「可視化されたコネクテッドカー向け警告システム」を公開したと紹介。ソニー中国研究院の孫晨(スン・チェン)副院長がこの技術について「中国の大学との共同研究で開発し、クラウドと車両の両端でAI技術を活用している。市場導入の実現可能性と実施能力を既に備えている」とコメントしたことを伝えた。

また、ソニーの車載オーディオ事業は20年に中国市場に参入して5年間で業績を10倍に拡大したほか、車載センサー事業も15年の参入後10年間で30倍の成長を達成したと伝え、その背景には中国自動車メーカーの急成長と、中国自動車市場のEV化・スマート化の流れに乗った結果だと解説した。

旭化成については、極寒のマイナス40℃から酷暑の60℃に至るまでの過酷な温度環境下でも、電池性能を安定して維持できる、自動車用リン酸鉄リチウム電池(LFP電池)向けの画期的な電解液技術を披露したと紹介。この技術によって厚い電極の設計も可能になり、EVの航続距離延長にも貢献することが期待されると伝えた。

さらに、サムスン電子は有機EL(OLED)ディスプレイを搭載した「スマートコックピット」を展示したと紹介。運転席、助手席、後部座席など多数の画面が配置された車載システムで、中国の新興自動車メーカーの一部車種ですでに採用されていると報じた。

また、次世代の先進運転支援システム(ADAS)向け車載カメラソリューションや高温高圧環境下でも安定した性能を発揮する大容量のコンデンサーも併せて展示し、その技術力をアピールしたとしている。

記事は最後に、ソニーが車載オーディオ事業では無人運転バス企業との連携にすでに着手していること、車載センサー事業では、供給のボトルネックとなっているパッケージ工程を回避した剥き出しの半導体供給を強化しており、来年にはセンサー供給に占める割合を50%以上に引き上げる目標を立てていることを紹介。同社を始めとする日韓両国企業が中国の自動車産業における存在感をますます強めていくだろうと展望した。(編集・翻訳/川尻)

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