2025年11月13日、中国のポータルサイト・捜狐にこのほど、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編の猗窩座の最期はなぜ1990年代生まれの心を動かしたのか」と題した記事が掲載された。

記事は、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来がついに11月14日に中国公開されることが分かり、シリーズ初の劇場上映作として公開前から話題を呼んでいる。

7月18日の日本公開3日間では興行収入55億円を突破。日本映画史においてオープニング成績、初日成績、単日成績の三つの記録を塗り替える快挙となった。物語は柱稽古編の続きから始まり、主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)と鬼殺隊が鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)に立ち向かう。激戦の中、彼らは思いがけず『無限城』へと落下し、最終決戦が幕を開ける」と紹介した。

そして、「多くの観客が最も涙したのは、かつて煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)を殺した猗窩座(あかざ)だった。炭治郎と水柱・富岡義勇(とみおかぎゆう)が彼へ挑む決戦の中で、猗窩座の人間時代の記憶がよみがえる。かつて狛治(はくじ)と呼ばれた彼は、病の父と師匠、そして婚約者・小雪(こゆき)との静かな日々を生きていた。だが悲劇を経て鬼となり、強さにとらわれていく。映画ではその過去が丁寧に描かれ、観客は冷酷な悪役の背後にある痛みと喪失を知る。猗窩座の最期は敗北ではなく『自由』として描かれ、力への執着を捨てた彼は最も愛していた人の元へと帰っていった」と説明した。

また、「アニメ制作会社・ufotableは再びアニメ界トップの実力を示し、『鬼滅の刃』の映像表現を新たな高みへ押し上げ、観客からは『1カットごとにお金がかかっている』と称された。水柱・義勇と猗窩座の戦闘シーンは圧巻で、水の流れと光の表現が見事に融合している。

また、狛治の回想シーンも完成度が高く、シリーズ屈指の感動的演出として評価された。特殊効果、作画、音楽、声優の全要素が有機的に絡み合い、2時間半の映像体験を圧倒的な熱量で満たしている」と評した。

記事は、「『鬼滅の刃』の輝かしい成功の裏には、どん底からの逆転劇がある」と言及。「2016年に『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった当初、人気は低迷し、単行本の売り上げも不振だった。転機は那田蜘蛛山編で訪れ、物語の評価が一気に上向く。そして19年、ufotable制作によるテレビアニメが放送されると人気が爆発。漫画の売り上げは急上昇し、25年7月時点で、全23巻の世界累計発行部数は2億2千万部(日本1億6400万部、海外5600万部)を突破した」と伝えた。

その上で、「『鬼滅の刃』が1990年代生まれの観客に深い共感を呼んだのは『後悔』と『救済』を描いた物語が彼らの心の痛みと重なったからだろう。社会の中核を担う彼らは、理想と現実のギャップを知る世代だ。猗窩座という、善良だった男が運命に翻弄され、最後に救われる物語は、彼ら自身の『失いながらも立ち上がる』姿と重なった。悪役にも哀しみと背景があることを示した点が、多くの観客の心を動かしたのだ。『誰の心の中にも猗窩座がいる』それは、人生の痛みによって冷たくなりながらも心の奥では温もりを求める自分自身の投影だ」と論じた。

記事は、「劇場版『鬼滅の刃』無限城篇 第一章 猗窩座再来は、次章への伏線を多く残した。ファンは、第二章の前半は嘴平伊之助(はしびらいのすけ)と栗花落(つゆり)カナヲ対童磨(どうま)、後半は蛇柱・伊黒小芭内(おばない)と恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ みつり)対鳴女(なきめ)、岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)と風柱・不死川実弥(しなずがわさねみ)、玄弥(げんや)、霞柱・時透無一郎(むいちろう)対黒死牟(こくしぼう)になるだろうと予想している。つまり、さらなる激戦と感動がこれから待っているということだ。漫画は完結して久しいが、アニメの力によっる『鬼滅の刃』の人気は衰えを知らない」とした。

そして、「中国のファンにとって、劇場版『鬼滅の刃』の中国公開は単なる映画上映以上の意味を持つ。またこれは、日本アニメが中国市場で新たな一歩を刻んだ象徴でもある。なぜ90年代生まれの人々はこれほど心を揺さぶられたのか?それは、猗窩座の壊れた記憶の中に、人生に打ちのめされ、それでも立ち上がり、失いながら成長していく自分自身の姿を見たからだ。鬼殺隊の戦いは続く。そして、私たちの戦いもまた続いている」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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