金価格が過去最高値を更新する中でも、中国では金地金・金貨の投資需要が拡大しています。中国黄金協会が11月10日に発表したデータによると、2025年1~9月の中国国内の金地金および金貨の消費量は前年同期比24.55%増の352.116トンに達しました。

地政学的リスクの高まりや経済の不確実性を背景に、安全資産としての金の魅力が一段と高まっています。

一方、同期間の中国全体の金消費量は682.73トンで、前年同期比7.95%減となりました。減少率は前年同期の11.18%から縮小したものの、上半期の3.54%減よりも大きく、宝飾品分野の落ち込みが影響しています。金の装飾品消費は270.036トンと、前年同期比32.5%減でした。

中国黄金協会は、軽量で高付加価値のジュエリー製品は依然として一定の人気を保っていると分析しています。金地金の需要が堅調な一方で、電子機器や新エネルギー産業の拡大により、工業用金の需要も回復基調を示しました。1~9月の工業用金・その他用途の金の消費量は前年同期比2.72%増の60.578トンです。

また、中国人民銀行(中央銀行)は引き続き金の保有を増やしています。昨年11月から今年9月まで11カ月連続で金を買い増し、今年1~9月の累計増加量は23.95トンに達しました。9月末時点での中国の金準備は2303.52トンとなり、外貨準備の多様化を進める動きがうかがえます。

高値にもかかわらず、安全資産としての金の需要が中国で根強いことが改めて示されました。世界的な地政学リスクや経済の不透明感が続く中、中国の金市場は今後も投資需要を支えに底堅く推移するとみられています。

(提供/CRI)

編集部おすすめ