2025年11月16日、韓国メディア・京郷新聞は、韓国で軽自動車の販売が大幅に減少し、年間販売台数が過去最低を記録する見通しだと報じた。

記事によると、現代自動車、起亜自動車など韓国の主要自動車メーカー5社の今年1~10月の軽自動車販売台数は6万64台で、前年同期比で27.3%減。

このペースで行くと今年の年間販売台数は約7万台にとどまり、統計開始以来「最も売れない年」になる可能性が高いという。

記事はこれについて、「韓国人が軽自動車に乗らない理由」を3点挙げて解説した。

1点目は「韓国の消費者は同じ価格なら大きな車を好む傾向が強いこと」で、「韓国人は家族単位で動くことが多く、室内空間が広いことを重視している。性能やデザインの前に大きくなければ『不合格』とされてしまう」と説明。「(車内が広い車が好まれることから)韓国の自動車メーカーは同じサイズの車でも車内を広くするために内部の設計に力を注いでいる」と述べた。

2点目は「軽自動車のモデルが少ないこと」で、近年、韓国ではシボレー・スパークが販売終了になり、現在購入できる軽自動車は現代自動車のキャスパー(Casper)と起亜自動車のレイ(Ray)、レイEV(Ray EV)、モーニングなどに限られている。新モデル投入も少なく、2023年のレイEV以降、新モデルはリリースされていないという。

発売以来、毎年3万台以上売れていたキャスパーもモデルが古くなったことで、今年1~10月の販売数は6725台にとどまった。電気自動車(EV)のキャスパーエレクトリックが販売されているが、このモデルは小型車に分類され、軽自動車の販売数には含まれない。

3点目は「燃費があまり良くないこと」で、「軽自動車は燃費性能が高いというイメージがあるものの、キャスパー1.0ターボモデルの複合燃費は12.3km/Lにすぎず、あまり良いとはいえない」と指摘した。

記事は、業界関係者の「軽自動車は燃費もそれほど良くもなく、狭い上にSUVのようにアウトドアにも適していない」との見解を紹介した上で、「強力な税制優遇や圧倒的な燃費、誰が見ても魅力的なデザインを備えている軽自動車が出てこない限り、今後も韓国で軽自動車が盛り返すことはないだろう」と述べた。

これについて韓国のネットユーザーからは、「燃費が悪いのに狭い。

買う理由がない」「スパークを廃止したのが致命的だった」「キャスパーの燃費を見ると『軽のメリットとは?』と思う」「別に値段も安くない」「外車のSUVも中古なら安いし、軽を選ぶ動機がない」などの声が上がった。

また、「韓国では『小さい車=貧しい』という偏見がまだある」「日本とは文化が違う。小さい車をかわいいと感じる層が少ない」「軽は韓国の交通環境には危険すぎる」「トラックと並ぶと身の危険を感じる」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

編集部おすすめ