2025年11月18日、中国メディアの極目新聞は、かつて殺人事件があった広東省深圳市のマンションの一室が競売にかけられ、入札者が殺到する中で開始価格を大きく上回る金額で落札されたと報じた。

記事によると、このほど落札されたのは深圳市福田区にあるマンションの一室で、面積は130.85平方メートル。

この部屋では09年5月に殺人事件が起きており、所有権が転々とした後、16年に個人が購入した。その後、この所有者が銀行から受けた融資の返済を滞らせるなどの理由によって裁判所が物件を差し押さえ、強制的な競売の対象になったという「いわく付き物件」だ。

昨年6月に一度競売が行われ、約839万元(約1億8000万円)で落札されたものの、かつて現場で殺人事件が起きたことを知った落札者が撤回を要求。裁判所が事故物件情報を開示していなかったことからこの要求が認められ、取引は白紙撤回された。

そして、今年10月に再び競売にかけられることが発表され、17日に390万8000元(約8600万円)の価格で競売がスタート。競売には30人が参加し、5万人以上が注目する中で値段はつり上がっていき、最終的には開始価格を300万元以上上回る699万8000元(約1億5000万円)で落札された。

記事によると、物件にはまだ居住者がいるものの、裁判所に提出した誓約書に従って取引成立から15日以内に退去することになっているという。

この件について、中国のネットユーザーは「699万元で事故物件を買う価値なんてあるとは思えない」「事故物件な上に少なくとも築16年以上って」「この部屋からライブ中継を始めたら元が取れるかもね」「そもそも1回目の競売で、どうして裁判所は情報を開示しなかったのか」「隠し部屋や仕掛けがないかチェックしたほうがいい」といった感想を残している。

また、「落札者はお金を使う必要があったのかもしれないね。意味分かる?」という感想も。資金洗浄のカモフラージュを疑ってしまうほど、「事故物件」への巨額の投資は理解に苦しむ、ということのようだ。(編集・翻訳/川尻)

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