第2次青蔵高原(青海チベット高原)総合科学調査の研究成果報告会が11月19日から20日にかけてラサで開催されました。同調査で調査チームは青海チベット高原の生物多様性について初めて、調査対象を電子データ化し、調査地域を格子状に分割して系統的に統合するデジタル・グリッド化による精密調査を実施し、全方位的かつ総合的に可視化されたデータベースを構築しました。

この調査では、計3000以上の新種生物が確認されました。内訳は動物新種205種、植物新種388種、微生物新種2593種です。これらの発見は、「高寒冷地生物遺伝資源の宝庫」と称される青海チベット高原の生物多様性の豊かさを改めて裏付けることになりました。

中国科学院昆明植物研究所の孫航研究員は「大量の新種が発見されたことは、青海チベット高原に未解明の生物多様性が数多く残されていることを意味する」と指摘しました。調査では、さらにメトクユリ(学名:リリウム・メドゲンセ)など、すでに絶滅したと考えられていた種が再発見されたほか、ブタオミユビトビネズミ(学名:ティフロミス・キネレウス)の反響定位能力など、特異な生物特性の解明も進んだとのことです。

調査では新種の発見が相次いだことで青海チベット高原の生態系に対する理解が深まっただけでなく、高海抜環境への適応メカニズムの解明や、将来の気候変動に対処する方策を研究する上で、重要な科学的知見が提供されました。

本調査では、リモートセンシング技術と現地調査を組み合わせることで高解像度の植生図と土壌図を作成し、種レベルでの詳細な発見を得ることもでき、青海チベット高原の世界有数の生物多様性ホットスポットとしての独特の価値が浮き彫りになりました。(提供/CRI)

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