2025年11月20日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国の二酸化炭素排出量に関するフランス紙の報道を紹介した。
記事は、中国の二酸化炭素排出量が歴史的な転換点を迎えており、排出量のピークアウトを前倒しで達成する可能性があるとする、フランスの経済紙レ・ゼコーの上海常駐記者による文章を紹介した。
同紙の記者は文章の中で、再生可能エネルギーの急速な発展と国内経済の減速に伴い、中国の炭素排出量が約18カ月にわたり安定して推移しているというフィンランドの研究機関「エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)」の分析結果を紹介した上で、「もしこの傾向が続けば、中国は25年末までにカーボンピークアウトを達成する可能性があり、公約している30年のピークアウト達成より5年も前倒しすることになる」と伝えた。
その一方で、多くの専門家からは、現在の傾向と再生可能エネルギー分野において中国が優位性を築いている状況を鑑みれば、中国が今年9月に掲げた「35年までに温室効果ガス7~10%削減」という中国の目標が低すぎるという意見が出ているとし、中国の目標はパリ協定で定められた「産業革命以前と比べて世界の平均気温上昇を1.5度未満に抑える」という「1.5度目標」とは明確な隔たりがあり、この目標を達成する上で中国に必要とされる削減量が30%に上ることを指摘した。
また、中国はエネルギー消費量に対する二酸化炭素排出量を示す炭素強度の削減という課題にも直面しており、新たな政策が導入されなければ、30年までにGDP当たりの二酸化炭素排出量を05年比で65%以上削減するという目標の達成は困難だとも伝えた。
記者はその上で、中国が来年3月に採択する予定の「第15次5カ年計画」にて、気候変動の抑制にとってメリットのある新たな兆候が見られることを望むと締めくくった。(編集・翻訳/川尻)











