2025年11月24日、中国メディアの揚子晩報は、潜水中に他人の酸素ボンベのバルブを閉めて物議を醸したダイバーが、スキューバダイビングインストラクター協会から資格を永久剥奪されたと報じた。

記事は、あるネットユーザーが先日、自身のSNSアカウント上で、潜水中にダイビング仲間の酸素ボンベのバルブを閉めたとする動画を公開したところ、ダイビング愛好者を中心に拡散して「人の命を脅かす危険な行為」として大きな懸念と議論を巻き起こしたと紹介した。

そして、ネット上で人物の特定が行われたところスキューバダイビングのインストラクター協会であるPADIの認定ダイバーではないかという疑惑が浮上し、PADIの中国オフィスが調査を開始、今月13日にはPADIの職員が当局と協力の上で調査を進めていることを明らかにしたと伝えた。

記事によると、PADIは20日にこの件に関する声明を発表。調査の結果、事案は今年に入って海外の個人ダイビング旅行中に発生したこと、当該ダイバーはインストラクターではないことを確認したと伝えた上で、行為の重大性を鑑みて今後この人物がPADIのプロフェッショナルとなる資格を永久に取り消す処分を決定したことを明らかにした。

記事は、あるダイバーの話として、酸素ボンベはダイバーの「命」であり、水中でバルブを閉める行為はパニックや溺れを引き起こし、命に関わる事故につながる極めて危険な行為だと指摘している。

このニュースに対して、中国のネットユーザーからは「陸上で他人の首を絞めるのと同じ」「悪ふざけではなく、殺人行為だ」など、バルブを閉めた行為に対する厳しい意見が多く寄せられた。また資格を永久に剥奪したPADIの対応を評価しつつも、業界の処分だけでは不十分という見方も出ており「法に基づき責任を推及すべき」「刑罰を科さなければ、今後も似た事案が起きる可能性がある」といったコメントも見られた。

また、PADI以外の団体では資格を取得できる可能性が残されていること、一部のダイビングショップでは資格証の確認が甘いことなど、業界における処分自体も不十分だという意見も。さらに、潜水時の相手選びの重要さ、緊急時の対処についてのレクチャーやトレーニングを強化する必要性を指摘するユーザーもいた。(編集・翻訳/川尻)

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