2025年11月28日、極目新聞は、中国のネット上でホルモン剤が使用された「ホルモン卵」が市場に出回っているという情報が流れているとし、その真偽について検証する記事を掲載した。
記事は、無抗生物質卵やセレン強化卵など、各種の栄養強化卵が市場に流通する中で、近ごろ「大量のホルモン剤が使われた卵が市場に出回り、長期摂取すると健康被害や発がんリスクがある」とする情報が、動画共有プラットフォームを中心に広く拡散しており、消費者の間で不安が広がっていると伝えた。
そして、情報の詳しい内容について、悪質な養鶏業者が産卵量増加を目的に飼料に大量のホルモン剤を添加しており、「ホルモン卵」はサイズが大きい、殻が薄く柔らかい、黄身が2つ入っている、黄身が崩れているといった点が挙げられ、摂取すると内分泌かく乱や、特に子どもにおける性早熟のリスクが高まると紹介した。
その上で、こうした情報を発信するアカウントの一部は「安心・安全な地鶏卵」の販売業者であり、情報には科学的な根拠が乏しいことが、専門家の見解によって明らかになっていると指摘した。
まず、「獣薬管理条例」などによって飼料や動物の飲料水へのホルモン類医薬品の添加が厳しく禁じられるなど法的に厳しい規制があり、違反した場合には重い罰則が科されることを紹介。また、科学的な観点から見ても、飼料に混ぜるタイプのホルモン剤の多くは、ニワトリが経口摂取する過程で消化・分解されてしまうため、産卵量向上という効果は期待できないという専門家の話を伝えた。
さらに、科信食品・健康情報交流センター主任の鍾凱(ジョン・カイ)氏によると、現代の採卵ニワトリの高い産卵能力はあくまで品種改良と科学的な飼育技術によるものであり、ホルモンを与えればむしろニワトリの疾病リスクを高めるだけで、養鶏業者にとって何のメリットもないとした。
このほか、情報の中で提起された「ホルモン卵の特徴」についても、飼育過程で自然に発生し得る現象であり、ホルモンとは一切関係がないと断じている。
記事は、こうした情報が広がる背景について専門家が「食品の安全に対する人々の関心の高さ」を巧みに利用して、センセーショナルな内容で注目を集め、自社商品の販売に誘導しようという意図があることを指摘し、消費者は感情論に流されず、情報の出所や科学的根拠を冷静に確認することが重要だと呼びかけていることを伝えた。(編集・翻訳/川尻)











