2025年12月7日、韓国メディア・電子新聞は、韓国の半導体大手SKハイニックスが、これまで日本企業に依存してきた先端半導体材料「EUV用フォトレジスト」の国産化に本格的に乗り出したと報じた。

記事によると、SKハイニックスは韓国の化学素材メーカー・東進(トンジン)セミケムと協力し、EUV露光工程に使用される高性能フォトレジストの共同開発を開始した。

これまで同社は、日本のJSRや東京応化工業が供給する製品にほぼ100%依存してきたが、単なる代替ではなく「日本製を上回る性能」を目標にしているという。

EUV用フォトレジストは、EUV露光設備で半導体ウエハーに微細回路を形成する際に不可欠な材料である。EUVは10ナノメートル前後の超微細工程に必須とされる露光技術だが、EUV露光装置はオランダのASMLが独占供給しており、装置1台当たりの価格は2000億ウォン(約212億円)に達するとされる。

記事は、「今回の開発の狙いは、露光時間の短縮と生産性の向上にある」と指摘。フォトレジストの感度を高めることで、同じ装置でもより多くの半導体を生産できるようになるという。

SKハイニックスは23年にも系列会社を通じてEUV用フォトレジストの国産化に挑んだが、当時の製品は低仕様にとどまり、最先端工程に使われる高性能品は依然として日本依存が続いていた。また、DRAM分野ではEUV工程の使用回数が増加しており、重要性が一層高まっているという。

記事は関係者の「素材会社をはじめとするさまざまな企業と生産性改善のための協力を続けている」との声を紹介。「素材開発には相当時間がかかるうえに、EUV用フォトレジストは進入障壁が高い。SKハイニックスと東進セミケムの協力がどのような結果を生むか予想するのは難しいが、商用化に成功した場合には、韓国素材産業の競争力を一段階引き上げる契機になり得る」と伝えた。

韓国のネットユーザーからは、「うまくいけば韓国半導体の地位はさらに上がる」「日本依存から抜け出そうとするのは良い流れだと思う」「失敗しても経験は残るから、挑戦する価値はある」「今こそ素材・装備の自立を本気でやるべきだ」「サムスンとSKハイニックスが本気出したら、日本も緊張するはず」などの声が上がった。

また、「韓国で国産化できたら本当にすごいけど、簡単にはいかないだろうな」「東進セミケムってそんな技術力あったんだ。

知らなかった」「どうせ量産まで行けずに終わる気がする」「技術格差はまだ大きい」「ASML頼みなのに、どこまで自立できるのか疑問」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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