中国政府が12月8日に発表した貿易統計によると、今年1~11月の中国の物品貿易総額は前年同期比3.6%増の41兆2100億元(約906兆6200億円)に達した。貿易という窓を通すと、中国経済の「安定」「前進」「強靭(きょうじん)」という三つの鮮明な特性を容易に見て取れる。
風が強く波が高い中、中国経済の「安定」は外部に深い印象を残した。1~11月の中国による東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州連合(EU)、アフリカ、中南米などの多元化市場向け貿易総額がプラスを達成したと同時に民営企業と外資系企業の貿易総額も伸びたことは、中国の事業体の活力が絶えず高まり、世界貿易における「安定したいかり」としての中国の地位がより強固なものとなっていることを示している。
「巨大な船」が「前進」を続けるには原動力が欠かせない。1~11月の中国の貿易商品構成は絶えず適正化され、輸出における新たな原動力も好調な伸びを見せ、「新三様(新御三家)」と呼ばれる新エネルギー車、リチウム電池、太陽光発電製品や船舶を含む機械・電気製品の輸出額は前年同期比8.8%増を記録した。生産性設備とコア部品の輸入額も増加したことは、中国の貿易の伸びの多くが構成の高度化と製造能力の向上によるものであり、貿易における「新」の含有量が絶えず高まっていることを示している。
国際的な座標で見ると、中国経済の「強靭」という特性がより際立っている。年初来、世界経済成長の原動力が不足し、貿易保護主義が勢いを増しているが、1~11月の中国の貿易はこうした情勢に逆らうように伸び、第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP)だけで世界第3の経済大国であるドイツの2024年通年のGDPを上回り、世界経済成長における最も安定し最も信頼できる動力源となっている。多くの国際機関も中国の経済成長率見通しを相次いで上方修正している。経済協力開発機構(OECD)は中国の2025年の経済成長率見通しを5%に上方修正し、今年3度目の上方修正は「レジリエンス、トランスフォーメーション、バイタリティー」の現れによるものと述べた。
年末が近づき、第14次五カ年計画が円満な締めくくりを迎えるとともに、第15次五カ年計画が始まろうとしている。8日には、中国共産党中央政治局が会議を招集・開催し、第15次五カ年計画の幸先の良いスタートに向けて、2026年の経済活動について分析・研究した。9日には、多くの国際経済組織との「1+10」対話会が予定されており、グローバルガバナンスについて共に協議し、グローバル発展について共に図る。











