今年、中国の太陽光発電設備容量は継続的に拡大しており、大規模太陽光発電所には数百万枚もの太陽光パネルが設置されている。より高度な技術と機器もまた、業界の発展の流れに組み込まれつつある。
国家電力投資集団五凌電力寧夏余丁太陽光発電所を取材した。ここには100万枚以上の太陽光モジュールが集結し、巨大なグリーンエネルギーの源泉を形成している。しかし、これほど大規模でモジュールが密集した発電所において、日常点検をいかに効率的かつ正確に実施するかは現実的な課題だった。
ドローンによる「スマート点検チーム」の本格運用により、従来の運用管理方式は根本的に変革されつつある。約886.7ヘクタールに及ぶ広大な発電所では、今やわずか2台のドローンで全ての日常点検業務を遂行できるようになった。運用担当者が制御室でマウスをクリックするだけで、ドローンは自動的に離陸・巡航し、データ収集を完了する。
現場で確認したところ、各ドローンには可視光カメラと赤外線サーモグラフィという高精度センサー2セットが搭載されていた。可視光カメラは太陽光パネル上のミリ単位のひび割れや汚れ、損傷を識別可能。赤外線サーモグラフィは「温度の聴診器」のように、モジュール表面の温度異常を捉えることで、熱斑点、ダイオード故障、コネクタボックスの不具合など、肉眼では発見困難な潜在的な問題を正確に特定する。点検作業が完了すると、システムは10分以内に詳細な分析レポートを自動生成し、正確な座標情報を添付する。これにより、データ収集からレポート出力までの全プロセスが自動化された。
現場スタッフは、「1台のドローンによる半日分の点検作業量は、従来5人の点検作業員が1週間かけて達成していた成果に相当する。全体の点検時間は人手による従来方式より90%以上短縮された。故障対応速度は『日単位』から「時間単位」、さらにはそれ未満へと短縮され、『定期健康診断』から『リアルタイム監視』への飛躍を実現した」と説明した。
寧夏余丁太陽光発電所の実践は、中国の新エネルギー産業がデジタル化・スマート化へと加速する生きた縮図だ。太陽光発電設備容量が拡大し続けるにつれ、発電所管理の精密化と運用効率の向上がますます求められている。AIやドローン、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどの先進技術を日常運用管理に深く統合し、「スマート発電所」を建設することは、産業の明確な発展方向となっている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)











