英ネイチャー誌のウェブサイトは4日、米調査会社クラリベイト・アナリティクスの分析を引用し、学術データベース「WebofScience」の25年間にわたる引用データに基づき、中国の研究影響力は日増しに拡大しており、世界のサイエンスマップを再構築しつつあるとした。科技日報が伝えた。
WebofScienceは世界最大の引用文献データベースだ。分析結果によると、中国は欧州との研究協力を継続的に深化させるとともに、東南アジア、中東、アフリカなどの新興地域への協力範囲を拡大している。これに対し、従来の研究大国かつ協力の中心地としての米国の地位は徐々に低下しつつある。
研究によると、米国が推進した研究資金の削減、国際学生の受け入れ制限、ワクチン研究や気候変動研究などへの干渉など一連の政策はすでに悪影響を及ぼし始めている。
クラリベイト・アナリティクス科学情報研究所のチーフサイエンティストであるジョナサン・アダムス氏は、「影響力の高い研究は世界的な協力なしには成立しない。世界的な研究協力は全体的に持続的に増加しており、影響力の高い研究の多くは多国間協力から生まれている」と語った。
過去10年間で、中国国内の研究成果は倍増し、2020年には世界最大の論文産出国となった。引用指標においてもリードする見込みだ。一方、米国の研究成果はコロナ禍の影響からまだ完全に回復しておらず、その減少傾向はコロナ禍以前から始まっていた。他の国々の研究水準が向上するにつれ、米国研究の引用影響力は数十年にわたり継続的に低下しており、2018年以降はその減少幅が特に顕著となっている。
同時に、2019年以降、中米両国の研究協力は減速あるいは減少傾向にある。これは米国による学術交流の制限と、中国の独自研究の強化に関連している。
科学技術イノベーション政策とグローバル科学技術ガバナンスの専門家で、復旦大学の唐莉(タン・リー)教授は、「世界の研究協力ネットワークが再構築されつつある。この変化の一部は中米関係の調整に起因する。国際協力は今後も継続するものの、中国は国内の研究能力向上に取り組むだけでなく、多極化した科学体制の構築も推進している」との見解を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











