貴州省貴陽市の街中にはカフェが3000店以上あるほか、クラフトビールバーが1200店以上あり、夜になると煌々とした照明が灯る。コーヒー、クラフトビール、新ティードリンクを中心として、貴陽市では今、この新しい3業態と地元の豊富な物産を融合させるスタイルを充実させている。
新商品の開発に取り組んでいるカフェ「黒石コーヒー」のバリスタ・唐佳鑫(タン・ジアシン)さんは、「地元産の新鮮な花椒をすりつぶして、搾りたてのぶどうジュースとナッツの中に混ぜ、香り高いコーヒーと組み合わせることで、爽やかな甘さと花椒ならではのピリリとした味わいという独特の風味を楽しめるドリンクとなっている。この特製コーヒードリンクの開発に2カ月以上試行錯誤した」と話す。同カフェのメニューを見てみると、トゲナシやドクダミ、木姜子などとコーヒーを組み合わせたオリジナリティーあふれるドリンクメニューがたくさん並び、地元の特色を生かしたここでしか味わうことができないラインナップとなっている。
11月末にベルギーで開催された国際品評会「ブリュッセル・ビア・チャレンジ(BBC)」で、貴陽のクラフトビールブランド「TripSmith」は「過桶野生草莓小麦(Nature Wild Strawberry Barrel-Aged Beer)」で金賞を獲得した。このクラフトビールの原料にも貴州省産の高品質のイチゴやアンズが使われている。
時がたつにつれて、地元の独特な物産と新しい3業態を組み合わせることで、同地でしか味わうことができない差別化されたブランドが形成され、オリジナルテイストを武器に、自然と客が集まるようになっている。
市民の柯珍琳(カー・ジェンリン)さんは、「週末は家にいたくない。どこに遊びにいこうか」とソーシャルメディアを見ていたところ、新しい3業態を楽しむことができる人気スポット・阿雲朵倉文化クリエーティブエリアを見つけ、行くことにしたという。そして、ゲットしたホットコーヒーを手に、「朝はコーヒー、午後はティー・ドリンク、夜はクラフトビールを飲めるほか、マーケットをぶらぶらしたり、トークショーを見たり、スケートボードで遊んだりすることもでき、トレンドのドリンクと人情味あふれるイベントがうまくコラボレーションしていて大満足」と絶賛した。
貴陽市はオシャレな空間を打ち立て、イベントを開催し、消費シーンとの融合といったアプローチを通して、新しい3業態が文化観光をさらに盛り上げ、文化観光資源とリンクする強力なコンテンツに据えることで、「1杯のドリンク」が同市の雰囲気を大きく変えようとしている。
貴陽市の1~9月のコーヒーや新ティードリンクなどの新業態の成長率は52.8%に達した。











