香港メディアの香港01は10日、中国・広東省中山市のプリンター工場を閉鎖したキヤノンの従業員に対する「クレイジーな補償」が話題になっていると報じた。
キヤノン中山工場はかつて世界最大級のプリンター生産拠点の一つだったが、中国国産ブランドの台頭や中国市場でのシェア縮小、需要の低下などにより、操業停止を決定。
キヤノンが提示した補償案は「2.5N+1」というもので「N」は勤続年数を表す。つまり、「2.5×勤続年数×月給+1カ月分の月給」が支給されるという内容だ。さらに、5カ月分の税引き前給与に相当する就業支援金と、最高1万5000元(約33万円)の感謝ボーナスも追加されるとのこと。
記事は、「勤続18年、平均月給8000元(約17万6000円)で計算すると、最終的に約40万元(約880万円)の補償が受け取れる」と例示。勤続20年だという従業員がネット上に退職証明を投稿し、「自分は63万元(約1400万円)を受け取った。キヤノンに感謝。20年の働きがこれになった!」とつづったことを紹介した。
ネット上ではこのほかにも、生産ラインの管理者だったという人物が88万元(約1900万円)を受け取ったことを明かし「実家に帰ってゆっくるする」と書き込んだり、勤続16年だという人物が「昨日午後に46万元(約1000万円)が振り込まれた。名残惜しいけど仕方ない。キヤノンに感謝!」と書き込んだりしている。
記事によると、さらに従業員を感動させたのは、キヤノンが「卒業式」を行い、従業員の家族を招いて送別の食事会を開いたほか、人事部が各従業員の技能等をまとめたファイルを丁寧に整理し、董事長(会長)の推薦状付きで他企業に紹介するという就業支援まで行ったことだという。
従業員らはSNSに次々と退職証明を投稿し、「キヤノン、感動はいつもそこに」「キヤノンは本当に従業員を人として扱ってくれる」など、工場への感謝を表明。また、他のユーザーからは「これが資本家なのか?(こんなに従業員思いの資本家がいるのか?)」「こんな資本家なら誰だって好きになる」「ブラック企業が真っ青になるほど」といった羨望の声が上がっていると、記事は伝えている。(翻訳・編集/北田)











