中国という大市場の広大な空間と強靭な活力はさまざまな消費シーンを通じて小さな商品を産業発展の原動力へと変え、大規模な産業を生み出している。

1枚の茶葉がどれほどの価値を生み出すか。

答えは150億元(約3300億円)だ。魏晋時代に源を発し、宋代に盛んになった「抹茶」の原料となる緑色の茶葉は、千年の歳月を経て、今や100億元超の市場を形成するだけでなく、中国を世界最大の抹茶生産国にしている。中国の抹茶輸出量は今年上半期(1-6月)だけですでに昨年1年分を上回った。

貴州省貴陽市に新しくオープンした抹茶店では、点茶師が茶を点てており、その極めて観賞性の高い手法が多くの消費者を魅了している。抹茶は、蒸した茶葉を原料とし、殺青、乾燥、石臼挽きを経て作られる微細な粉末状の茶で、その起源は魏晋期にさかのぼり、唐宋期に流行した。

1枚の茶葉が支える3300億円の抹茶市場―中国

この抹茶店では、従来のティードリンク以外に、抹茶ラテ、抹茶ケーキ、抹茶月餅などさまざまな商品がカウンターに並んでいる。オープン後すぐに大人気となったことで、店主は大いに自信を高め、2号店のオープンも日程に上っている。

今年新たにオープンした抹茶店は貴陽だけで80店を超え、貴州産抹茶を使用している登録飲食ブランドはすでに全国で100社を超える。今後3~5年でティードリンク市場における抹茶の使用量は年平均60%の伸びが見込まれる。

1枚の茶葉が支える3300億円の抹茶市場―中国

抹茶市場は飲料や焼き菓子だけでなく健康食品へと拡大し続けており、それによって抹茶産業の持続的な高度化も促している。

貴州産抹茶の1~9月の輸出量は前年同期比で倍増した。中国産抹茶は50数カ国に輸出されており、2025年の抹茶販売量は2500トンに達し、生産額は7億5000万元(約165億円)を突破する見通しだ。

(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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