貴州省北西部、赤水河の中流エリアに位置する仁懐市は、まろやかで芳醇な「醤香タイプ」の白酒(醤香は白酒の香りの種類の一つ、白酒は中国の蒸留酒)の世界的に重要な生産地であり、「中国酒の都」と呼ばれている。ここ数年は白酒の蒸留技術、酒・文化・観光の融合を巡り、白酒産業の多角的な発展を推進してきた。

仁懐市は醤香タイプの白酒の酒造技術を代々受け継いでいくために、複数の措置を採用して古い酒造方法を守り伝えてきた。同市茅台鎮にある酒造所「京華老焼坊」にある35の老窖池(伝統的な発酵槽)は、すべて全国の移動不可能な文化財に認定されている。

貴州省仁懐市、白酒産業を主軸に多角的発展―中国

こうした土台の上に、仁懐市はテクノロジーを駆使したスマート酒造によって、「醤香タイプの白酒」産業のモデル転換・高度化を推進してきた。いくつもの現代的なスマート酒造所が誕生し、新型工業化理念によって産業の高度化を牽引し、1000億元(約2兆2000億円)クラスの産業クラスターの形成を推進した。こうして2024年、同市の白酒産業の生産額は1157億1000万元に達した。これまでに育成した一定規模以上の白酒関連企業(年売上高2000万元以上の企業)は133社に上り、産業の活力が安定的に上昇している。

貴州省仁懐市、白酒産業を主軸に多角的発展―中国

白酒で発展を遂げた仁懐市だが、白酒のみに依存しているわけではない。「酒を売る」から「ライフスタイルを売る」への転換も、同市の白酒産業のイノベーションと発展を生き生きと示す実践だ。同市は近年、酒・文化・観光の融合発展を推進し、新業態を持続的に増やし、特色ある新シーンを構築し、酒博物館の「国酒文化城」や酒造りの歴史と現在がうかがえる「天醸景勝地」など、酒と観光が融合した景勝地を整備。白酒メーカー868社、星付き酒造所20カ所などとともに、「見学+テイスティング+酒のオーダーメイド」ができる酒・観光体験ルートを作り出し、リゾート・レジャーと酒造文化体験が一体になった没入型観光地を打ち出した。

2025年1-7月に同市が受け入れた観光客は累計延べ649万8800人に達し、一泊以上滞在した人は延べ170万6200人、観光総収入は79億2600万元(約1743億7200万円)だった。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

貴州省仁懐市、白酒産業を主軸に多角的発展―中国

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