中国の自動車大手の中国長安汽車は12月10日、重慶市の阿維塔(アバター)デジタルインテリジェンス工場で中国ブランド車として通算3000万台目となる車両がラインオフしました。節目のモデルは「アバター12」4レーザー版です。

累計1000万台の到達に30年を要した同社は、その後2000万台まで7年、そして3000万台までは4年半と大幅にスピードを上げており、中国自動車産業の成長と技術力の向上を象徴する成果となりました。

式典で朱華栄董事長は、ユーザーやパートナー企業、関連業界の支援に謝意を示したうえで、「2030年までに年間生産・販売500万台を目指す」と表明しました。新エネルギー車(NEV)の販売比率を60%以上、海外販売比率を30%以上とし、世界のユーザーに質の高い移動体験を提供する方針です。

同社はグローバル化戦略として、長期的かつ地域密着の事業展開を進める一方、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みも強化します。技術分野では、2028年に人型ロボットを量産化し、2030年には空飛ぶクルマの商用化を計画するなど、先端領域への投資を拡大しています。

また、同社の急速な成長を支える基盤が「安全」への長年のこだわりです。1999年に中国国内で初めて小型車の衝突試験を実施し、現在では極端な環境を再現する独自の試験体系「CA-TVS」を構築。各車種に500万キロ超の耐久検証を課すなど、徹底した品質保証をおこなってきました。今年9月には新たな安全技術ブランド「天枢智能」を発表し、安全性の高度化を図っています。

研究開発体制の強化も進み、同社は年間売上の5%を研究開発に投資しています。世界6カ国・10拠点の研究開発ネットワークに約2万4000人の技術者を擁し、200以上の実験施設を運営しています。過去3年間で1万4000件超の特許を出願するなど技術力の底上げが続いています。

さらに、阿維塔、深藍(ディーパル)、啓源などのブランド展開が好調で、NEV販売は2025年に100万台を超える見通しです。(提供/CRI)

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