2025年12月12日、中国メディア・新黄河は、浙江省杭州市の動物園でショーに登場したクマが調教師を襲う事故が発生したと報じた。

記事は、杭州市富陽区にある杭州野生動物世界で6日、クマのショーを開催中にクマが調教師を襲って餌を奪う事故が発生したと紹介。動物園が7日に取材に応じた際にショーとクマの展示を一時中止していることを明らかにする一方、ショーの再開については明言しなかったと伝えた。

そして12日になって同区農業農村局が最終処分結果を通報し、今後クマのショーを永久に停止すること、関係する調教師の停職と配置転換を行うこと、クマの生活場所を改良すること、クマの情緒が落ち着き次第来場者との面会を再開することを明らかにしたと紹介している。

報道によると、襲われた調教師やクマを含めて負傷者はいなかったという。調教師は同園の演劇部で10年の勤務経験を持ち、4年前からクマの調教師を務めていた。今回の事件は、野生の動物を調教してショーを行わせることに対する疑問や批判の声も呼んだようで、同局の関係者は「われわれも野生動物に無理やりショーをさせることに反対している」と説明したとのことだ。

この件について、中国のネットユーザーは「動物のショーを拒否する」「動物ショーの訓練を見たことがある人なら、どれだけ残虐かわかるはずだ」「緊急の防護設備や対処する装置が全くないようだ。事故なんて起きないと思っていたのだろうか」「そもそも動物園なんていらない。トラがみんなサルみたいに痩せこけてる」「普段からクマと調教師との関係が良くなかったのではないか」など、動物園や動物ショーに対する批判的なコメントを多く残している。

一方で「このクマは調教師とケンカしただけで、噛みつくなどして傷つけるつもりはなかったようだ」「このクマ、手加減してたのではないか。そうでなければ、とっくに何人かはやられていたはずだ」「クマは公衆の前で不満をぶちまけたかっただけかもな。攻撃が優しいもの」など、クマが本気を出していなかった可能性を指摘するユーザーも複数見られた。(編集・翻訳/川尻)

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