中国・河南省南陽市で7歳の男児が団地の建物の高層階から転落死した事件をめぐり、遺族が文房具店の店主に賠償を求めている。中国メディアの紅星新聞が15日に報じた。
記事によると、男児が死亡したのは11月21日のこと。男児は同日午後6時24分に自宅を出て、団地内の公園でしばらく遊んだ後、近くの文房具店に入った。およそ9分後に男児が店を出ようとした際、店主が呼び止めて男児の服のファスナーを開けると、中にウルトラマンのおもちゃが入っていた。店主は男児を厳しく叱り、「警察に通報して捕まえる」と言った。男児はおもちゃを置いて店を出ると、そのまま団地内の建物の上階に上がり、午後6時47分に転落した。警察は自殺の可能性が高いとみているようだ。
男児の父親・孫(スン)さんは「息子は明るい性格で、祖父を笑わせていた。祖父が足の手術を受けた時には真っ先に病院にお見舞いに行って、『痛い?』と気遣っていた。思いやりがあり、分別のある子だった」と話した。普段は忙しい両親に代わって祖父母が面倒を見ることが多く、買い物をする際は祖父が付き添って代金を支払っていた。孫さんは「おもちゃ代は店主が祖父(保護者)に請求すれば良かった。子どもに対してあれほどきつい言葉をかけるべきではなかった」と主張している。
一方、店主は「男の子が店に入ってきた時、自分は店のすぐ外で食事をしていた」とし、おもちゃを盗んだことに気付いて一言二言り、「後で警察のおじさんを呼んで話を聞いてもらうから」と伝えたと説明。「当時、男児は泣いたり騒いだりしておらず、その後でどこへ向かうかには注意を払っていなかった」と話した。警察は店主の発言が脅迫に当たるかなどについて調査を行っていたが、12月1日に「違法は認められない」として調査終了を決定した。しかし、遺族はこれに異を唱えて関連書類への署名を拒否。現在、訴訟を起こす準備をしているという。
中国のネット上では「息子を失ってショックなのは分かるけど、店主のせいにするのはどうかと思う。物を盗んだら叱られても仕方ない」「店主は男の子をたたいたり、侮辱したりしたわけじゃなく、口頭で注意しただけ。この程度で子どもの自殺の責任を負わされるのは全く道理に合わない。責任を負うべきは親の方」「自分の子どもが万引きしたんだ。父親として反省すべきではないのか」といった声に多くの共感が集まった。
一方で、「子どもの心はもろい。叱る時も注意する必要がある」「こういうのは普段まじめな子ほどやってしまった時の後悔が大きいんだよな」「今後は10歳未満の被害金額の少ない万引きについては『やっちゃだめだよ』って軽く叱る程度にして、『警察に通報』とかって話を出さないであげてほしい。
また、男児が誰にも相談できずに極端な行動に走ってしまったことから、「子どもには『過ちを犯すことは誰にでもある。私たち(両親)は何があってもあなたの味方だよ』って教えておくのが何より大切」とのコメントも寄せられていた。(翻訳・編集/北田)











