2025年12月16日、新華社は江西省で高額の救急車料金を患者に請求した病院が行政処分を受けたことを報じた。

記事は、江西省市場監督管理部門が16日、法外な救急車料金を請求した同省南昌市の病院運営会社に対して、5000元(約11万円)の罰金を科したことを発表したと伝えた。

処分決定書によると、この病院に所属する救急車の運転手が4月に病院の名義で省内の児童医院の患者を上海市の病院まで往復1600キロメートルの搬送を行った際、患者側から2万8000元(約62万円)の費用を徴収した。この病院が公示している救急車利用料の基準「3キロにつき20元(約440円)」を適用すると本来の料金は1万672元(約23万円)で、公示価格を1万7000元(約37万円)以上超過して徴収していたことになる。

この件がネット上で拡散して社会の関心を集めると、病院側は6月に公示価格超過分を患者に返還したという。一方で、南昌市市場管理局は法外な加算徴収の事実を重く見て調査を実施し、価格法違反により罰金5000元を科すことになった。

記事は、市場監督管理当局による調査の結果、この病院では他にも医療サービス料の超過徴収や重複請求、使用期限を過ぎた薬品の使用などの違法行為も判明し、罰金・没収金の総額が約8万7000元(約191万円)に上ったと伝えた。

この件について、中国のネットユーザーは「この病院、何でもかんでもボッタクリじゃないか。しかも期限切れの薬品まで使うなんて」「そもそもなんでそんなに長距離を走る必要があったのか」「罰金はたったの5000元か」といった感想を残している。

一方、「民営の救急車なのだから価格が高くなるのは当然だと思うが」「病院側としては法的にグレーゾーンな越境搬送のリスクを取る代わりに高い料金を求めたと思うのだが、患者側にしてやられたな」「これはイソップ童話の『農夫とヘビ』だ」「今後、病院は積極的に越境搬送をしなくなるかもしれない」など、告発した患者家族側に対する批判的な意見も多く出ており、「越境搬送制度をちゃんと整備してほしい」という要望も見られた。(編集・翻訳/川尻)

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