中国・河南省平頂山市魯山県で、結婚式当日に飛び降り自殺した女性教師の「最期の言葉」が注目を集めている。

中国メディアの中国新聞週刊などによると、高校で歴史の教師として勤務していた魏亜蕊(ウェイ・ヤールイ)さん(28)は10日午前、同県内にある建物の7階から身を投げ、その後死亡した。

関係者によると、現場は結婚後に生活する予定だった新居で、魏さんは「着替えをする」と言って全員を外に出し、内から鍵をかけ、メッセージアプリ・微信(ウィーチャット)のモーメンツ(タイムライン)に遺言を残して飛び降りたという。

魏さんの遺言には「7年。(大学を)卒業してから7年間、私は抵抗し続けた。大学在学中の4年間を足せば11年だ。私は負けた。口論し、騒ぎ、狂ったようになり、包丁を持ち出すこともあった。それでもお見合いをさせられ、結婚させられた。私は弱かった。決断できなかった。だから言うことを聞いて見合い結婚をした。死をちらつかせてまで結婚を強要する両親、不孝者だと非難する親戚。はっきり言って、相手の気持ちを逆なですることしかしない結婚相手に、ひたすら我慢を強いる両親は、本当にお似合いだ」などとつづられていた。

報道によると、魏さんは何度も結婚に抵抗しており、前日にもモーメンツに「諸事情により結婚式は行いません。(いただいた)ご祝儀はできるだけ早くお一人お一人にお返しします」と投稿していた。しかし、両親が「もらった結納金を返したくない」という理由で同意しなかったため、式は予定通り行われることになったという。

結婚式当日に飛び降り自殺した28歳女性教師、SNSに残した「最期の言葉」―中国

中国では親や親族から結婚を催促されることが若者の大きなプレッシャーになっている。中国のネットユーザーからは「本当にかわいそう」「娘を商品のように扱っている」「彼女の両親は後悔もしなければ、心が痛むこともない。(魏さんは)自分で自分の命を終わらせるしかなかったんだ」「(親たちとの)関係を断ち切るべきだった。非難されてもいい。他に問題を解決する選択肢はない」「両親『これはお前のためなんだ!』」「ときどき分からなくなる。こういう親は本当に子どもの幸せを願っているのか、それとも自分のメンツを保ちたいだけなのか」といったコメントが寄せられている。

また、魏さんには未婚の弟がいたと報じられていることから、「両親はもらった結納金を弟が結婚相手に渡す結納金に当てたかったのでは」との意見も複数見られた。

なお、魏さんが落下した建物の1階の住人が損害賠償を求めているが、魏さんの家族は「もう嫁に出したのだから新郎が賠償すべき」と主張する一方、新郎側は「まだ正式にはめとっていないのだから女性の家族が負担すべき」として、意見が対立しているという。(翻訳・編集/北田)

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