2025年12月18日、中国メディアの第一財経は、電気自動車(EV)による事故が頻発する中で中国の自動車評価機関が「自動車企業は充電の安全性を重視すべきだ」とする研究報告を発表したと報じた。

記事は、中国自動車技術研究センター自動車測定評価管理センターがこのほど発表した、中国の新エネルギー自動車の安全テストに関する研究報告の内容を紹介している。

評価は、極狐(Arcfox)の「アルファT5 520 MAX」、BYDの「漢L EV 701KM」、小鵬の「G7 702」、埃安の「UT 420」、深藍の「S09 後輪駆動Ultra+」の5車種について、充電の安全性、電磁的安全性、機能の安全性、バッテリーの安全性、高圧の安全性、消防上の安全性の6項目から評価を実施。いずれの車種も総合得点率が80%以上を記録し、電磁的安全性では全車種が満点、バッテリーと消防上の安全性でもおしなべて高い評点が出た一方で、充電の安全性はおおむね評点が低く、満点だったのは1車種にとどまった。

また、評価の中で、端子温度が90℃に達すると充電が停止する機能が正しく作動しないなどの充電ポートの熱管理不足、電子システムの異常で動力が失われた際に車内モニター警告が出ないか遅れる、急加速時の高い電圧変動に対応できる電子部品の冗長性不足、バッテリーが熱暴走を起こした際に車内の一酸化炭素や微粒子濃度が非常に高くなるという4つの大きな課題が浮き彫りになったという。

記事は、自動車測定評価管理センターの専門家である孟慶宇(モン・チンユー)氏がメーカーに対し、単に法規制を守るだけでなく「材料の革新、構造の最適化、インテリジェントな監視」を通じて多層的な防護体系を築くべきだと提言し、具体例として窓の自動開放やバッテリーの強制冷却などを挙げたことを伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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