2025年12月17日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、国際的な開発援助において中国が米国に取って代わりつつあるとするドイツメディアの評論を紹介した。
記事が紹介したのは、ドイツ紙ハンデルスブラットによる評論だ。
そして、中国はここ数年、既存の国際秩序に代わるグローバル・サウス諸国のニーズと利益に合致した一連のグローバル・イニシアチブを次々と打ち出しているとし、今年9月には共産党と政府のトップである習近平(シー・ジンピン)氏自ら主導した国際機関改革に関する新たな提言を発表したと伝えた。
また、中国による提案について欧米の批判者からは「抽象的で実態が伴っていない」との指摘が聞かれる一方で、発展途上国は前向きに受け止めていると指摘。ミュンヘン安全保障会議(MSC)が実施したアンケート調査では、ブラジル、インド、南アフリカ、トルコなどの回答者の多くが「中国の外交政策は世界に実質的な利益をもたらす」と確信していることが判明しており、米国が残した「公共の利益を重視する勢力」の空白を中国が埋めることに成功している姿が浮き彫りになったと評した。
一方で、欧州では独自の開発援助戦略を巡って各国の足並みがそろわず、内部争いが続いているため具体的な行動が遅れていると指摘し、欧州連合(EU)の「グローバル・ゲートウェイ」構想について「スローガンに実効性が伴っていない」と痛烈に批判した。
同紙は、ドイツ経済協力・開発省が年内に戦略の再編を予定していると紹介した上で「米国が不在で資金が極端に不足する中、欧州がどのような具体的貢献ができるのかをパートナー諸国に示すべきだ」と主張。同時に、「欧州が答えを出せなければ、他国がその答えを出すことになるだろう。しかし、彼らのビジョンが必ずしもわれわれの利益にかなうとは限らない」とし、名指しこそしないものの中国の存在を示唆して評論を締めくくった。(編集・翻訳/川尻)











