2025年12月19日、第一財経は、日本銀行が追加利上げを行って金利がこの30年で最高水準となったことについて、円安と債権の両方を解決するのは難しいと報じた。
記事は、日銀が19日の金融政策決定会合で、政策金利を約30年ぶりの高水準となる0.75%に引き上げることを決定したと紹介。
そして、今回の利上げの背景には根強いインフレ圧力があり、11月のコア消費者物価指数(CPI)が前年同月比3%上昇して日銀が目標とする2%を44カ月連続で上回ったと指摘。高市早苗政権にとっても最大の政権運営課題である政府の経済刺激策の一環として実施されている補助金制度だけでは補いきれない民生の不満を背景に、日銀への正常化圧力が高まっていたと解説した。
また、来年の利上げペースに関する議論が早くも起きており、多くの経済学者が2026年中に1.0%に達すると予測する一方、具体的な時期については「6月の可能性が高いが、円安が進むようなら4月まで前倒すこともありうる(バンク・オブ・アメリカ)」との声や、「景気回復を待って10月までずれ込む(ING銀行)」との声があり、見方が分かれていると伝えた。
記事は、今回の利上げ発表直後にドル円相場で明らかな円高の動きがみられなかったことを指摘。日銀の植田和男総裁が為替による輸入コスト上昇の物価に与える影響に強い警戒感を示していることを紹介した上で、JPモルガンのストラテジストらが「基本的には利上げすべき状況だが、日銀の姿勢が曖昧なため円高には振れにくい。当局は為替介入を余儀なくされる危機に直面する可能性がある」と論じたことを紹介している。
さらに、利上げは円高に資する一方で、債務の利息増加を招くとし、1333兆円を超える日本の政府債務に重くのしかかると紹介。現時点で18年ぶりの高水準にある1.9%の10年債利回りが2.5%に上昇すると借入コストが倍増し、28年度の利払い費は16兆円規模に膨らむとの試算もあると伝えた。また、円キャリートレードの巻き戻しがグローバルな流動性にショックを与えるリスクを懸念する声もあるとした。
記事は最後に、アリアンツ・グローバル・インベスターズのグローバル最高投資責任者、グレガー・ハート氏が16日に「今後の市場の反応は、日銀が市場といかに巧みに対話を行い、デリケートなバランスを維持できるかにかかっている」と分析したことを紹介した。(編集・翻訳/川尻)











