中国メディアの封面はこのほど、中国では海外から帰国して就職する留学経験者が急増しているとして、その背後にある「現実」を探る記事を発表した。
中国政府教育部によると、2024年には帰国した留学経験者が前年比19.1%増の49万5000人に達したと発表した。
首都経済貿易大学労働経済学院副教授も務める中国人民大学中国就業研究所の毛宇飛研究員は、中国の国内経済が発展し続け、特に人工知能(AI)、航空宇宙、新エネルギーなどのハイテク産業が好待遇の就業機会を創出したことが、中国の人材の吸引力を強めたと述べた。
「報告」は、国際情勢の不確実性が高まり、国内の政策支援や創業環境の改善などの要因が重なったことで、中国人留学生の帰国した上で将来を築く意欲はますます強まっていると分析した。
留学エージェントの「灯塔学院」の関係者によると、国際情勢の不確実性の増加、例えば米中関係とビザ政策の影響を受け、STEM(科学、技術、工学、数学)分野を学んだ学生は米国にとどまることが難しくなった。それ以外にも、英国の1年制留学プログラムでは現地での就業を望んでも、多くの学生は現地のインターン経験や言語能力を欠いているので、英国にとどまって就職することは困難であり、より多くの留学生が帰国を選択するようになったという。
毛研究員は、中央から地方に至るまで、帰国した留学経験者に対する就職のための行政サービスや戸籍取得での優遇、さらに創業を誘致する一連の支援策が打ち出されていると指摘した。
ただし、帰国した留学経験者が、順調に職を得られるとは限らない。ニュージーランドのオークランド大学で商学を専攻して学士号と修士号を取得したある留学経験者は、6月に帰国したが就職活動は順調でなく、今も「面接ゼロ、インターンゼロ、内定ゼロ、唯一の筆記試験も落ちた」状態が続いている。
中国での就職活動で苦戦している原因は、ニュージーランドの職場は人脈の蓄積を重視しているので現地で人のネットワークのないことでインターンの機会を得ることができず、実務経験が欠如していることと考えている。今の中国企業は「留学経験者というラベル」ではなく、実際の能力と経験をより重視していると感じるという。
中国では大学卒業者の就職が容易ではない状態が続いている。毛研究員は、帰国組と中国国内での卒業生の競争激化は、全体として就業市場をより高品質で高効率な方向へ推進させるとの見方を示した。ただし短期的には、一部のポストの競争は確かに激しくなるという。
毛研究員は、採用する企業側は長期的には、採用基準の改善を迫られることになると指摘した。学歴を単純に重視する形から、就職希望者の実践能力、専門スキルおよび広範な対応能力をより総合的に考察する形へと転換せざるをえないという。同時に、就職の競争激化は、帰国組と国内卒業組のいずれもが自らの能力を向上させ続けるよう促し、さらに、就職希望者が人材確保のための支援のある地方都市でより多く就職することになることで、人材配置の最適化が進む可能性があるという。
中国では一時期、「100万元(約2200万円)をかけて留学したのに、帰国後の月給はわずか6000元(約13万円)」という噂が広まり、多くの家庭が留学について疑念持つことになった。関連報告によれば、全体的に見て、帰国した海外留学経験者の平均月給は1万5000元(約34万円)に達し、上昇傾向が続いている。年収50万元(約1100万円)以上の職は主にAI、電子工学、医療金融業界に集中しており、インターネットや金融の職ならば年収20万-50万元(約450万-1100万円)を得られる。
一方で、帰国して就職する場合、初任給ばかりを気にすべきでないと考える留学生も出てきた。まず、国有企業の社員のような、長期にわたり安定して、自分のキャリアを順調に伸ばしていくことも悪くないという考え方だ。さらに、最初の職は仕事の経験と能力を蓄積する場と考える人もいる。











