世界最大の氷雪テーマパークである黒竜江省の「ハルビン氷雪大世界」が17日にオープンした。ハルビン師範大学国際美術学院の85後(1985~89年生まれ)の青年教師・張●(ジャン・シン、●は「金」三つ)さんは氷彫刻師100人と共に長さ約70メートルの列車を氷で作り上げた。
氷彫刻師になって今年で20年目という張さんは、「ここ数年、業界が激変していると感じている。以前、ごく一部の人だけが趣味で氷彫を楽しんでいた。それに、氷の彫刻をどうやって制作するのか、大規模な氷雪大世界をどうやって作り上げているのか知らない人が多かった。でも、今は僕が氷彫刻師であると聞くと、羨望のまなざしで見る人が増えた」と話す。
1998年生まれの徐浩男(シュー・ハオナン)さんも同じことを感じているといい、夏は南方エリアで仕事をして、冬になるとハルビンに帰って来て氷の彫刻を作っている。南方エリアの友人は氷の彫刻にとても興味があり、『どうやって作るのか』と尋ねたり、『一度見てみたい』と言ったりする」という。
1994年生まれの陳栄欣(チェン・ロンシン)さんは2008年から今に至るまで氷の彫刻を制作しており、「以前は裏方だった氷彫刻師は今、表に出てくるようになり、観光客と接触する機会も多くなった。氷の彫刻の作り方を普及させるだけでなく、東北エリアの文化も伝えることできている」と話す。
そして、「氷彫刻師になったばかりでも、道具を使ったハードな仕事をいとわないなら、1日に200~300元(約4400~6600円)は必ず稼げる。日当400~500元(約8800~1万1000円)も普通で、腕が良ければ1カ月に2万~3万元(約44万~66万円)、ひいてはもっと稼ぐことも可能だ」と話した。
張さんによると、氷の彫刻を制作するためにはまずアイデアが必要で、設計図を作り、氷やライトなどの材料を準備し、各種彫刻刀や電動工具を使って少しずつ氷を削って作り上げていく。
氷の彫刻を制作するためには力学の知識も必要だ。陳さんによると、アーチを作るとすると、構造のバランスを考慮し、倒壊することがないよう、氷にかかる圧力をうまく調整しなければならない。その他、風に当たると氷の昇華が速くなるため、氷と氷の間の隙間をできるだけ小さくし、風の影響を抑え、全体の構造が安定するようにしなければならないという。
氷彫刻師という職業は季節性が強く、仕事があるのは1年間のうち2カ月ほどしかない。陳さんは、「氷彫刻師は広い視野を持ち、お金を稼ぐ方法を考えなければならない。ここ数年、僕が率いるチームは夏にも氷雪文化研学といった活動を企画し、子供と一緒に小さな氷の彫刻や氷の版画を作ったりして、新たな方法を模索している」という。
2025国際ウインタースポーツ博覧会メインフォーラムで発表された「中国氷雪産業発展研究報告(2025)」によると、15年の時点で2700億元だった中国の氷雪産業の規模は24年には9800億元に拡大した。そして、今年は1兆元(約22兆円)の大台を超える見込みだ。中国国務院弁公庁が24年に発表した「ウインタースポーツの質の高い発展を通して、冰雪経済の活力を引き出すことに関する若干の意見」は、30年をめどに氷雪経済の規模は1兆5000億元(約33億円)にまで拡大すると見込まれている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)











