中国メディアの中新経緯は22日、「来年、金価格は5000ドル(約78万円)を突破するのか」と題し、金の価格上昇について報じた。

記事は、22日の金現物取引で初めて1オンス当たり4400ドル(約68万6000円)を突破し、史上最高値を更新したと報道。

中国外為投資研究院の李鋼(リー・ガン)氏は「米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しが実質的に転換し、インフレが持続的に鈍化、雇用市場も限界的に冷え込み、世界的な金利水準が低下するとの見方が一段と強まっていることが、金の相対的な魅力を大きく高めている」と分析したという。

同氏は、「各国の中央銀行による金購入や機関投資家による(金の)資産配分は、金価格が高水準にあっても弱まらず、むしろ脱ドル化や資産の多様化によって安定した構造的需要を形成している」と指摘。一方で、「金価格が史上最高値を更新したからといって安全とは限らない。金価格は政策見通しやリスク選好に極めて敏感で、ボラティリティ(価格変動性)も明らかに拡大しているため、一般投資家は高値追いで大きく資金を投じるべきではない」と述べた。

記事によると、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は2026年に金価格が1オンス当たり5000ドルを突破する可能性があると予測しているが、李氏は「その可能性は否定できない」としつつ、「それは世界的な金融緩和局面が続くかどうか、ドル安が進むか、そして地政学的・金融的不確実性が長期化するかに左右される」との見方を示した。(翻訳・編集/北田)

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