シンガポール華字メディアの連合早報は23日、中国の南京博物院所蔵絵画の流出を巡る騒動について伝えた。

記事によると、中国の著名な書画収集家、龐莱臣(1864~1949年)の子孫が南京博物院に寄贈した明代の画家、仇英(1505ごろ~1552年)の絵巻「江南春」が、あるオークションのプレビューに登場して物議を醸した。

これについて、南京博物院は、龐莱臣の子孫から寄贈された龐家コレクションの絵画137点のうち5点は1960年代に専門家によって贋作(がんさく)と鑑定されたため、同院が90年代に同院の所蔵品管理規則に基づいて処分したと回答した。

中国の文化財当局、南京博物院所蔵絵画の流出を巡る騒動について調査―シンガポールメディア
南京博物院

ところが22日になって、南京博物院の退職職員を名乗る男性が、2010年以降、同院の院長だった徐湖平(シュー・フーピン)氏について複数の部門に内部告発したが有効な反応は得られなかったと語り、再び物議を醸した。

南京博物院名誉院長の龔良(ゴン・リアン)氏は中国メディアの取材に対し、「この件について何も言うことはない。申し訳なく思う」とコメントした。

中国国営中央テレビ(CCTV)は23日、中国国家文物局が作業部会を立ち上げて南京博物院の文化財管理を巡る状況について詳しく調べると報じた。(翻訳・編集/柳川)

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