山東省東営市の山東石油化工学院の門の前で多くの大学生が寒風の中で1本4元(約90円)のサンザシなどを飴がけにした中国の伝統菓子「糖葫蘆(タンフールー)」を買うためだけに長蛇の列を作っている。
実は、糖葫蘆を売っている男性・田さんの息子が9月に末期がんと診断され、わずか約3カ月後の12月2日に亡くなった。
息子が亡くなって13日目、田さんは家族を養うために、悲しみに耐えながら、再び糖葫蘆を売り始めた。そして、近くの露店のオーナーが、田さんが直面している厳しい状況を微信(WeChat)のモーメンツで紹介し、「一人で家族を支える彼は偉大」と書き込んだ。すると、それを知った大学生や市民が続々と山東石油化工学院の門の前にやって来て、田さんが販売する糖葫蘆を購入するようになった。
寒風の中、大学生らは1時間半列に並び、「1本でも多く売ることができれば、田さんがそれだけ早く家に帰れる」「お釣りはいらない」と話しながら糖葫蘆を購入していた。こうした言葉には若者の善良な思いが詰まっている。
「普段の10倍以上の数の糖葫蘆が売れている」と話す田さんは、多くの人の心温まる助けを受けて、涙声になりながら、「大学生や親切な人が糖葫蘆を買いに来てくれる。中には、お金だけくれて、糖葫蘆はいらないという人もいれば、米や麺、子供の服、日用品などを届けてくれる人もいる」と話す。
生活はとても大変であるものの、田さんは「大学生が列に並んで糖葫蘆を買ったり、孫が日に日に成長しているのを見ると、なんとかやっていけると感じる」とした。
田さんの息子の妻は、「幼稚園に通っている長男は政策により費用が減額されており、次男も幼稚園の費用を減額してもらってる」と話した。
あるネットユーザーは「子供が親より先に亡くなるというのは不幸なことだが、人間らしい温もりに触れることができた田さんは幸運でもある」とのメッセージを寄せた。











