2025年12月23日、香港メディア・香港01は、日本が南鳥島周辺の深海でレアアースの試掘を実施し、2027年の商業化を目指すと報じた。

記事は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が23日、来年1月から2月にかけて、南鳥島周辺海域で水深6000メートルの深海からレアアースを含む泥を採掘する世界初の技術テストを実施すると発表したことを紹介した。

そして、このプロジェクトが内閣府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環であり、地球深部探査船「ちきゅう」を投入し、海底に下ろした揚泥管を通じて高濃度のレアアースを含む泥を吸引すると説明。採取した泥は南鳥島で脱水処理を施した後、日本本土へ運ばれ、精錬される計画だと伝えている。

また、南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内には、電気自動車(EV)やスマートフォンなどのハイテク製品に不可欠なレアアースが、産業利用可能な規模で埋蔵されていることが確認されているとし、今回のテストでは採掘技術の実効性を検証して、成功すれば27年2月から本格的な試掘を開始する予定だと紹介した。

記事は、レアアースの安定確保が、経済安全保障上の最優先課題となっており、今年10月には高市早苗首相と米国のドナルド・トランプ大統領との間で、重要鉱物の供給網に関する協力文書が締結されたことを紹介。この分野における日米連携に注目が集まる中での新たな動きとなったことを報じた。(編集・翻訳/川尻)

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