スイス金融大手UBSがこのほど公表した報告によると、2025年の世界の億万長者(ビリオネア)数は2919人に増加し、総資産は過去最高の15兆8000億ドル(約2465兆円)に達しました。新たに誕生した億万長者は287人と、2015年に同社が統計を開始して以来、2番目に多い水準です。

地域別ではアジア太平洋地域の伸びが最も顕著で、億万長者数は1036人に拡大しました。中でも中国本土は70人増の470人に達し、米国に次ぐ世界第2位となっています。資産総額も1兆8000億ドル(約281兆円)と前年比22.2%増を記録し、大中華区が世界の富裕層拡大をけん引する最大の成長エンジンであることが浮き彫りになりました。

特に注目されるのが、中国本土の億万長者の成り立ちです。報告によると、中国本土の億万長者の98%は「白手起家」とされています。白手起家とは、親の資産や相続、家業などに依存せず、ほぼ無資産の状態から自ら事業を興し、成功によって財を築き上げたことを指します。この非常に高い割合は、中国本土では親の財産を引き継ぐよりも、自ら起業して成功することで財を築いてきた人が多いことを示しています。

2025年に新たに誕生した中国本土の億万長者は、ITを中心とするハイテク分野出身者が多く、年齢層も比較的若いのが特徴です。世界全体でもテクノロジー分野の億万長者の資産は23.8%増の3兆ドル(約468兆円)に達しており、中国は今後も技術革新を背景に、世界の富の構図に大きな影響を与え続けるとみられます。(提供/CRI)

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