仏RFIの中国語版サイトによると、欧州連合(EU)は23日、中国や他のアジア諸国との競争に苦戦している欧州のプラスチックリサイクル業界を支援する案を発表した。

記事によると、プラスチック廃棄物が増加する中、リサイクル能力は2021年に17%増加したが、22年には10%増に減速し、23年には6%増にとどまった。

欧州委員会は、リサイクル能力は25年末までに「約100万トン減少すると予想される」とし、「この能力の低下は、環境順守の観点だけでなく、産業競争力、経済成長、雇用維持にとっても課題となる」と指摘した。

EU、中国などとの競争に苦戦する欧州プラスチックリサイクル業界支援案を発表―仏メディア

欧州委員会が提示した案の一つが、プラスチックを高温で加熱する化学リサイクルへの投資を強化することだ。この方法は機械リサイクルと比べて大量のエネルギーを消費し、汚染物質を排出することになるが、ヨーグルト容器のような食品の包装を扱う場合には役立つと同委員会はみている。

提案には、化学処理で処理できるPET(ポリエチレンテレフタレート)使い捨てプラスチックボトル内のリサイクル素材を識別するための新しい規則が含まれる。

もう一つの措置は、煩雑な手続きを簡素化し、加盟27カ国全体で規則を調和させ、リサイクルプラスチックの取引を容易にすることを目指すものだ。

欧州委員会の提案の全体的な目標は、「欧州の循環型経済への移行を加速する」ことで、再生プラスチックは「廃棄物ではなく貴重な二次原材料として扱われ、経済と地球の両方に利益をもたらす」ことになる。現在、プラスチックの半分以上(57%)がアジアから来ていて、うち35%が中国から来ている。(翻訳・編集/柳川)

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