2025年12月24日、香港メディア・香港01は、湖南省長沙市の団地でフードデリバリー配達員と警備員によるトラブルが大規模な抗議デモに発展したと報じた。

記事によると、長沙市岳麓区の住宅団地で22日、食事を届けに来た配達員がバイクでの進入を阻止した警備員と激しい取っ組み合いになった。この動画がSNS上のデリバリー配達員のコミュニティーで拡散し、同日夜には数百人の配達員が集結して深夜まで続く大規模な抗議活動に発展したという。

抗議活動の様子を撮影した動画には、大量のバイクが団地前の交差点を円を描くように周回しながら、一斉にクラクションを鳴らし、団地管理側に対し「謝罪」を求めるシュプレヒコールを上げ、さらには罵詈(ばり)雑言が飛び交う様子が収められていた。

トラブルの原因について記事はある配達員の話として、「団地側が以前より配達員に対して門の外にバイクを停めて徒歩で配達することを強制し、これにより配達が遅延してプラットフォーム側から罰金を取られるケースが相次いでいた」と紹介。また、特定のネットスーパーの配達車両は団地内への進入を認められていたことで、デリバリー配達員の不公平感が高まったとみられるとも伝えた。

記事によると、大規模な抗議活動に発展した事態を重く受けた地元当局は現場に多くの警官を投入して鎮静を図るも、抗議は23日の早朝まで続いた。現在、主要なデリバリープラットフォームはこの団地への配達サービスを停止しているという。

長沙市では以前より配達員と団地側とのトラブルが起きており、23年にも同様のトラブルで多くの配達員が集結し、抗議活動が繰り広げられていた。湖南省では今回のトラブルが起きる1カ月前に、省内の団地に対して「デリバリー配達員進入禁止」の看板を撤去するなど不条理な配達制限のルールを撤廃するよう求める通知を出しており、通知が徹底していない現状が浮き彫りになったと言えそうだ。(編集・翻訳/川尻)

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