中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の朱敏院士(アカデミー会員)が率いる研究チームはこのほど、国際学術誌「カレント・バイオロジー」に重要な研究成果論文を発表しました。この研究で、雲南省昭通市の古生代デボン紀前期の地層で「雲南古嵴魚」と呼ばれる原始的な肺魚の化石を発見し、肺魚の初期進化の重要な鍵を解明する貴重な実物証拠を提供しました。
肺魚は進化の初期段階ではほとんどが海洋環境に生息していましたが、地質学的歴史が進むのに伴って淡水環境へと移住し、独特の生存戦略を獲得していきました。乾季になり水源が枯れると、肺魚は泥の中に潜って夏眠状態に入り、雨季の訪れを静かに待ち続けていました。この能力により過酷な自然淘汰(とうた)の中で生き残ることができたのです。
中国南部ではデボン紀前期には既に肺魚が生息していた痕跡があり、その中で「希望奇異魚」は現在知られている肺魚の中で最も古く、最も原始的な種です。朱敏院士が率いる研究チームが雲南省昭通市で発見した雲南古嵴魚の化石は、生存していた時代は希望奇異魚よりやや遅く、デボン紀プラギアン期の地層から3次元的に保存された肺魚の頭骨化石が見つかったのはこれが初めてで、頭骨の長さはわずか25ミリメートルでした。
系統解析の結果によれば、雲南古嵴魚は真肺魚類の進化系統樹の基部に位置することが明らかになりました。年代測定データと合わせて、研究チームは次のような主要な結論を下しました。すなわち、最も原始的な希望奇異魚から真肺魚類への分化は、わずか約400万年(4億1600万~4億1200万年前)の間に起こったことを示し、初期の肺魚が急速な放散進化を遂げたという科学的認識を裏付けるものです。(提供/CRI)











