中国科学院動物研究所は国内外の研究チームと共同で、マイクロ流体チップを基盤とする3D胚移植モデル(3D子宮模擬チップ)の開発に成功し、ヒト胚の着床過程を実験室で初めて完全に再現しました。関連成果は12月23日、国際的な学術誌「セル」に掲載されました。

中国で生殖補助技術による治療を受けている患者のうち、約10%が3回以上の胚移植を受けた後も臨床妊娠に至らず、反復する着床失敗の状況に悩んでいます。

合同研究チームはこうした患者を検査した結果、子宮内膜細胞に明らかな異常があることを確認しました。また研究では、患者が少量の子宮内膜サンプルを提供するだけで、3D子宮模擬チップを通じて子宮内膜の機能に異常があるかどうかを確認でき、「病因不明」という悩みの解消にも至っています。

また研究チームは、3D人工子宮と人工胚技術を利用し、着床の全過程に対する動的再現と系統的な解析を実現しました。3D子宮模擬チップは、効率的な薬剤スクリーニングの基盤も構築しました。

本研究は、基礎研究と臨床応用の連携を実現し、研究者が胚着床メカニズムを解析するために標準化された「体外実験室」を提供したことから、早期発育異常や妊娠合併症などの疾病研究に役立つとみられています。(提供/CRI)

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