2025年12月25日、中国メディアの観察者網は、中国のウナギが日本人によって絶滅させられる可能性について言及する記事を掲載した。

記事はまず、世界人口のわずか1.5%にすぎない日本人が世界のウナギの70%を消費しているという統計を紹介。

長年の乱獲と環境破壊により日本固有の野生ウナギが供給不足に陥る中、中国のウナギがその「穴埋め」をしており、2023年の日本国内のウナギ供給量は5万7099トンで、そのうち3分の2を超える3万8750トンが輸入されているという農林水産省のデータを伝えた。

また、中国は22年には6万4000トンを輸出するなど、世界最大のウナギ養殖・輸出国であるとしつつ、ウナギは完全養殖の商業化が実現していないことを指摘。人工ふ化技術の未熟さやコストの高さによって、養殖でも天然の稚魚(シラスウナギ)の捕獲が必要という構造的な問題を抱えているとした。

そして、この問題が中国近海での乱獲を招き、個体数の減少、価格の上昇、さらなる乱獲という悪循環に陥っていると指摘。特に長江河口や珠江水系では、稚魚を一網打尽にする極細網による違法操業が横行しているためにニホンウナギの稚魚が激減し、一部の地域では絶滅に近い状態だと伝えている。

さらに、ウナギは単なる食材ではなく、淡水と海洋をつなぐ生態系の重要な一環であるとも強調。ウナギが絶滅すれば、水質浄化機能の低下や食物連鎖の崩壊を招き、洪水リスクの上昇など人間社会にも予期せぬ被害をもたらす可能性があると論じた。

記事はその上で「日本人の口や腹の欲求を満たすためにウナギを絶滅させれば、その損失は養殖業者だけでなく、中国の一般市民にも及ぶことになる」と結んでいる。(編集・翻訳/川尻)

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