2025年12月29日、韓国メディア・SBSは、韓国南西部・全羅南道の務安(ムアン)国際空港でチェジュ航空の旅客機が着陸に失敗し、179人が死亡した事故から1年を迎えるも、事故の原因究明が進んでいない現状を報じた。
記事によると、空港は事故後も閉鎖が続いており、遺族らは原因究明や責任者の処罰を求め、現在も空港でのテント生活や全国各地での1人デモを続けているという。
記事は、事故で妻、娘、義理の息子、孫2人の家族5人を一度に失ったパクさんを紹介。パクさんは事故直後に設置された務安空港内の遺族用テントで今も生活を続けており、「真相究明まで数カ月間はここにいようと始めたが、1年が過ぎても何一つ変わっていないため、離れられないでいる。政府も警察も心から納得できる対応をしていない」と強い不満の声を伝えた。
警察は事故に関連して、これまでに44人を立件したものの、拘束や送検に至ったケースはなく、捜査は遅々として進んでいない。事故の原因についても未解明の点が多いままだという。
記事は「遺族にとって最大の癒やしは、事故原因の明確な究明と責任者の処罰だ」と結んだ。
これについて韓国のネットユーザーからは「家族全員を失った人の時間は止まったままだ」「遺族を見ると胸が痛い」「今も空港で生活しているなんて。早く原因が究明されて、家に帰れますように」「忘れないことがせめてもの連帯だ」などの声が上がった。
また、「1年たって誰も責任を取っていないのは異常だ」「時間がたてば忘れられると思っているのが腹立たしい」「立件して終わりじゃない。処罰されなければ意味がない」「事故原因を明確にしないまま風化させようとしている」「政治家や官僚は現場を一度でも見たのか?」「遺族の生活をここまで追い込む社会は正常じゃない」「これが『安全大国』を名乗る国の現実なのか」など対応への批判の声も多く見られた。(翻訳・編集/樋口)











