2025年12月29日、韓国メディア・聯合ニュースは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻・金建希(キム・ゴンヒ)被告が人事や選挙公認候補の選定に関与し、総額約3億7700万ウォン(約4000万円)相当の金品を受け取っていたと報じた。

記事によると、金氏を巡る不正疑惑について、政府から独立して捜査を行ってきた特別検察官チームは捜査の結果、「金被告は22年以降、大統領の配偶者という立場を利用して、人事や選挙の公認候補の選定に関与し、高額の金品を受け取っていた」と結論付け、「受け取ったと認定された金品の総額は3億7725万ウォン(約4000万円)に上り、そこには絵画、高級ブランドバッグ、宝飾品、高級腕時計などが含まれる」と発表した。

記事は続けて、「最も高額だったのは、金相珉(キム・サンミン)元部長検事が昨年の総選挙公認などを巡って渡したとみられる、韓国を代表する画家・李禹煥(リ・ウファン)氏の作品で、その評価額は約1億4000万ウォン(約1500万円)と算定された。また、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)関係者が教団の懸案事項を巡って贈ったシャネルのバッグや高級ネックレスも8000万ウォン(約860万円)を超える」と伝えた。

これに関連し、宗教団体幹部、建設会社経営者、元検察幹部など計12人が起訴され、金被告もあっせん収賄罪などで追起訴されている。

記事は「大統領夫人が大統領の権力を背景に、職や影響力を金品と引き換えに売り渡すという、典型的な不正を行っていた」と強調した。

これについて韓国のネットユーザーからは「ドラマより現実の方がひどいとはこのことだ」「金額も内容も、一般人の感覚を完全に超えている」「でも、これも氷山の一角だろう」「なぜ今まで誰も責任を取らなかったのか」「これが『公正と常識』を掲げていた政権の実態か」「国の信頼をどれだけ失墜させたか考えろ」などの声が上がった。

また、「これで政治と宗教の癒着もはっきりした」「大統領夫人は聖域だという認識を壊した点は評価する」「これを機に配偶者の権限も法で縛るべきだ」「司法が最後まで公平であるか、ここからが本番」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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